【日経平均】黒田総裁が吹かせた「春の嵐」で307円安

2014年04月09日 20:18

 トヨタ<7203>は全世界約640万台のリコールが報じられ173円安で年初来安値更新。マツダ<7261>は17円安、ホンダ<7267>は20円安だった。ソニー<6758>66円安、パナソニック<6752>30円安、シャープ<6753>7円安、NEC<6701>6円安など電機も壊滅状態。オリンパス<7733>は「訴訟を提起された」と0時30分に発表すると急落して59円安。有価証券報告書の虚偽記載問題について、国内の信託銀行6行が東京地裁に合計279億円にのぼる損害の賠償を求める民事訴訟を起こした。

 NASDAQが反発したので39円高のソフトバンクとともにヤフー<4689>も反発し14円高で値上がり率11位、売買高8位。NTTドコモ<9437>はデータ通信への「家族割」導入など6月からの新料金プランが大きく報じられたが37円安。KDDIは212円の大幅安で年初来安値を更新した。

 業種別騰落率最下位の不動産セクターは、三井不動産<8801>171円安、三菱地所<8802>116円安、住友不動産<8830>158円安と大手3社が3ケタ安で揃い踏み。今週は3日続落。商船三井<9104>は前日、500億円を超える転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行すると発表し、希薄化懸念で22円安になり年初来安値を更新した。

 非鉄金属セクターの太平洋金属<5541>は2円高で年初来高値更新。三井金属<5706>も2円高だった。医療用精密機器のマニー<7730>はストップ高の625円高で値上がり率1位。上昇銘柄が少し目立ったのが食料品セクターで、キリンHD<2503>が7円高、サントリー食品<2587>が20円高、森永乳業<2264>は乳製品価格の4年連続引き上げを受けて5円高だった。その他、日本ハム<2282>が14円高、ニチレイ<2871>が2円高、日本水産<1332>が1円高。新興市場では3月26日の新規IPOだったロボットのサイバーダイン<7779>とアニメキャラクターのディー・エル・イー<3686>が元気に逆行高。サイバーダインは120円高。ディー・エル・イーは一時ストップ高の540円高で上場来高値を更新した。

 この日の主役は小売セクター。高島屋<8233>が4月1~7日の販売実績を発表し、前年同期比25%減だったと消費増税後の反動減の初報告。前日には決算発表を行い、反動減を克服して今期の純利益を10%増と見込んでいるが7円安。コンビニ2社の決算発表は、ファミリーマート<8028>の今期の純利益は12%減で305円安で年初来安値を更新し値下がり率6位。ミニストップ<9946>は今期2ケタ増益見通しだが86円安。イオンモール<8905>は2月期決算の経常利益が3%増の410億円で4期連続で最高益を更新したが154円安と売られていた。

 大引け後に決算を発表したABCマート<2670>は11期連続最高益更新の業績観測が出ていたが75円安。ドラッグストアのスギHD<7649>が前日発表した2月期決算は経常利益が前期に続いて今期も減益の見通しで140円安。スタートトゥデイ<3092>は昨年10月末から運用中の「WEARサービス」を4月30日で中止すると発表し77円安。店舗で下見してスマホでバーコードを読み取りネットで注文できる機能。それを実施しているパルコ<8251>は2月期決算の純利益が33%増の67億円で6年ぶりの最高益だったが、21円安で年初来安値を更新した。

 ダイエー<8263>は33円安で値下がり率1位。食品スーパーのライフコーポレーション<8194>は94円安。一方でニトリHD<9843>は160円高、ケーヨー<8168>は12円高だった。家電量販店は堅調でヤマダ電機<9831>は6円高。コジマ<7513>は15円高で年初来高値を更新し値上がり率6位。エディオン<2730>は14円高、ビックカメラ<3048>も3円高。家電量販店は4月になっても客足が大きくは減らず、この日で「ウインドウズXP」のサポートを終了するパソコンもしっかり売れていたという。(編集担当:寺尾淳)