好調の青汁市場に異業種が続々参入。今度はハチミツ

2014年04月19日 21:22

 今や年間2兆円規模といわれる健康食品市場。食品産業でも数少ない成長市場として注目されているが、その中でもスタンダード商品の代表格ともいえるのが「青汁」だ。2011年に発生した東日本大震災の際には、野菜不足を補うために需要が急増し、青汁市場は特需となった。青汁のパイオニアは30年前に俳優の八名信夫による「うーん、マズイ!」のCMで一世を風靡したキューサイの青汁だが、今や有力通販会社や異業種の参入企業が相次ぎ、競争激化が加速している。

 キューサイは2010年に約359億円でコカ・コーラウェストに買収され、完全子会社となったことで話題となったが、同社の他にも、現在青汁シェアトップのアサヒ緑健をはじめ、新日本製薬、やずや、健康家族など、名だたる健康食品通販企業は軒並み青汁を主力や第二の柱と位置づけ、積極的なラインナップを展開している。健康産業新聞によると、2013年の青汁市場は前年比7%増の870億円で6年連続で成長しており、この競争は益々激しくなりそうだ。

 しかし、消費者としては、どのメーカーの青汁を選べばよいのか選択が難しい。まず前述のCMのように青汁は「苦くてマズイ」から、飲みやすさは選択の際の大きな動機となるだろう。あとは価格、そしてメーカーの知名度といったところか。原材料については、青汁そのものが健康に有益なものであるという事は周知の事実であるし、各社ともに原材料の品質については自信を持っているところであろうから、こだわりたいところではあるものの、素人が選別するのは難しい。さらに最近は、同じ青汁製品でも、目的別で選ぶことが増えているらしい。例えば、青汁を粒にした「ステラの青汁」(ステラ漢方株式会社)などは外出時にも手軽に飲める上、苦いけれど粒状なので、液体の青汁がどうしても受け付けないという人に好評を得ているという。また、「美感青汁」(株式会社アスリートギフト)は、なんとマンゴー味のジェル状に加工した青汁に、コエンザイムQ10やコラーゲン、プラセンタなどの美容成分まで配合した商品となっており、女性を中心に好評を得ている。

 そして極めつけは、ミツバチ産品で馴染みの深い山田養蜂場が今年の2月に満を持して発売を開始した「山田養蜂場のはちみつ青汁」だ。山田養蜂場は、ローヤルゼリーなどの高品質なミツバチ産品で知られる企業だが、かねてより同社の顧客からハチミツ入りの飲みやすい青汁を望む声が多く、今回の製品の開発と販売に至ったという。同社では、野菜不足を補うだけでなく、整腸作用を期待した商品として「山田養蜂場のはちみつ青汁」を開発し、この度、実際の商品にて、30~60歳の女性84名を被験者として整腸作用を確認したところ、4週間の継続飲用によって、便秘症状が軽減されることが明らかになった。また、被験者の多くが試験後のアンケートで、肌の状態や潤い感、化粧のりの項目で飲用前より改善したという回答をしているという。

 青汁市場では、かなりの後発組となるが、品質では定評のある山田養蜂場だけに注目度も高く、ハチミツ産品での固定客も多いことから、今後の躍進が期待されるのではないだろうか。(編集担当:石井絢子)