【日経平均】要人発言に神経質な反応を繰り返し15銭安

2014年04月17日 20:12

 信越化学<4063>は売買代金12位に入り51円高で大幅続伸。しかし半導体製造、電子部品関連は前場から軟調で、東京エレクトロンは179円安、大日本スクリーン製造<7735>は16円安で値下がり率13位、日東電工<6988>は7円安、村田製作所<6981>は211円安で、アルプス電気<6770>はメリルリンチが目標株価を引き下げて55円安で値下がり率3位。子会社のアルパイン<6816>の業績下方修正が影を落としている。

 三菱重工<7011>は「防衛装備3原則」でアメリカにミサイル部品を輸出すると報じられたが2円安。ファナックは売買代金9位で315円高、クボタ<6326>は後場上昇し43円高で終えた。住友化学<4005>は大日本住友製薬<4506>など医薬品部門が引っ張り3月期の経常利益が2.1倍の1080億円程度の業績観測があっても値動きなし。大日本住友製薬は22円安。ライオン<4912>は約150億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)発行を発表し27円安で値下がり率4位。新規IPOも不振で、今はエクイティファイナンスには良い環境ではない。ゼネコンの西松建設<1820>は3月期の減益予想から一転、増益で経常利益が過去最高という業績観測で9円高になった。

 「ビッグデータ300社連携」という日経新聞の1面トップの見出しで最も買われたのがIIJ<3774>で75円高。そのビッグデータを扱うITソリューション部門が好調で3月中間期の業績を上方修正した三菱総研<3636>は130円高で値上がり率10位になった。食品スーパーのライフコーポレーション<8194>は80億円分のTOBによる自社株買いを発表し73円高。ユナイテッドアローズ<7606>は3月期の営業利益が135億円で過去最高という業績観測が出て110円高。その他、小売では42円高で値上がり率11位のビックカメラ<3048>、外食では71円高のブロンコビリー<3091>、65円高のくらコーポレーション<2695>、155円高のチムニー<3178>が年初来高値を更新していた。ゼンショーHD<7550>は、牛丼店チェーン「すき家」を7地域に分社化し、採用を柔軟化すると報じられ3円高。人手不足が深刻な地域では時給を加算するという。

 ガンホー<3765>は一時ストップ高の76円高。1~3月期の営業利益が260億円で過去最高と報じられた。「パズドラ」は国内ではもう飽和気味だが、アジアなど海外ではまだ成長の余地があるという。一方、前日大幅上昇したKlab<3656>は20円安で値下がり率14位になっていた。

 この日の主役はキヤノン<7751>。日経新聞にカメラ新製品の販売が好調で1~3月期(第1四半期)の営業利益が5割増、通期も上方修正の公算大という業績観測記事が出て3日続伸し、40円高と大幅に上昇。売買代金6位と買いを集めた。高配当利回りで「株主にやさしい銘柄」の代表で機関投資家にも個人投資家にも好感度大だが、それに業績の改善、安定が加われば鬼に金棒で、NISA買いも含めて「モテ期到来」になりそうだ。

(編集担当:寺尾淳)