【今週の振返り】556円上昇して前週の半値戻しを達成した週

2014年04月19日 20:13

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黒田日銀総裁の「知らぬ顔の半兵衛」を、安倍首相と麻生財務大臣がフォローしてマーケットと対話する構図

 前週末11日のNYダウは143ドル安。NASDAQは2月3日以来の4000割れで終えた。ウェルズ・ファーゴの決算は最高益を更新したが、JPモルガン・チェースは純利益が減益で市場予測を下回り、金融株はハイテク、バイオの「モメンタム銘柄」とともに下落。14日朝方の為替レートは、ドル円は101円台半ば、ユーロ円は140円台半ば。13日にウクライナの治安部隊が東部の都市で武装勢力の強制排除に出て死傷者が出てユーロは下落したが、ドルは比較的しっかりしていた。

 ウクライナ情勢悪化だけでなく、熊本県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザに感染したニワトリが発見され11.2万羽を殺処分するなどバッドニュースばかりで自律反発の頭が抑えられそうな日経平均は72.82円安の13887.23円で始まる。午前9時19分には11日のSQ値13892円を下回り13885円まで下落するがザラ場ベースの年初来安値更新はかろうじて回避。アメリカの株安に加えファーストリテイリング<9983>がこの日も軟調で日経平均を押し下げるが、TOPIXはたびたびプラスになった。日経平均も9時台一時プラスにタッチし、中国市場が上海も香港もマイナスで始まっても10時台後半はプラスを維持し14000円もたびたびタッチ。10時55分に14008円まで上昇した。しかし11時台はあえなく失速してマイナスに落ち、前引は13944円だった。

 後場は午後2時頃までプラスとマイナスの間を頻繁に行ったり来たりする。2時台はプラス圏で14000円に接近するがなかなか突破できない。前場はプラスだったソフトバンク<9984>も下落し日経平均を押し下げる。モタモタしているうちに2時45分頃からマイナス圏に急落。大引け間際には日経平均先物、TOPIX先物にまとまった売りが入って下げ一方になり、終値は49.89円安の13910.16円で続落した。日中値幅は123円。TOPIXは-1.33の1132.76で7営業日続落した。自律反発で14000円にはタッチしてもそれが精いっぱいの1日で、売買高17億株、売買代金1兆6099億円と、薄商いは依然として続いている。

 業種別プラス上位は鉱業、石油・石炭、輸送用機器、食料品、金属製品、水産・農林など。マイナス下位は海運、空運、ゴム製品、電気・ガス、証券、繊維などだった。

 週明け14日のNYダウは146ドル高と3営業日ぶりに反発。続落から救ったのは自動車販売が好調で前月比1.1%増と大きく伸びた3月の小売売上高と、純利益4%増で市場予測を上回ったシティGの決算だった。シティGは4.4%上昇。ウクライナ情勢の影響で原油価格などが上昇し資源関連株も買われていた。しかしNASDAQは一時マイナスになり結局22ポイントの小幅反発にとどまった。15日朝方の為替レートは、ドル円は101円台後半、ユーロ円は140円台後半で、前日よりも若干の円安に振れていた。

 日経平均は158.59円高の14068.75円と大幅反発し14000円台に乗せて始まる。しかし始値を抜けない時間帯が続き上値が抑えられる。9時46分には大台を割って13994円の安値をつけた。中国市場が上海マイナス、香港プラスで始まっても反応薄で小動き継続。TOPIXの上昇率は小さく、日経平均寄与度が大きいファーストリテイリングがマイナスで上昇の足を引っ張る状況に変化がみられないまま、前引は14024円だった。

 昼休み、首相官邸で安倍首相と黒田日銀総裁の会談が始まったという第一報が入ると、後場早々に前場の高値を抜き期待感で14096円まで上昇する。しかし追加緩和につながる話は全く聞こえてこない。午後1時までに株価は元のサヤにおさまった。「インテル決算待ち」の極端な薄商いの中、2時30分までおおむね14000~14050円のレンジで推移する。その後、14000円割れを起こして13969円まで下げてもすぐ回復するが、前日同様に大引け直前に急落して大台割れし、最後に巻き返しても一歩及ばず終値は86.65円高の13996.81円で3営業日ぶりに反発した。日中値幅は127円。TOPIXは+3.33の1136.09で8営業日ぶりのプラスだった。最後の1分で売買高は17億株、売買代金は1兆5682億円に増え、今年最少を免れた。

 プラス上位は情報・通信、鉄鋼、パルプ・紙、食料品、ガラス・土石、水産・農林など。マイナス下位は海運、その他金融、鉱業、電気・ガス、サービス、陸運などだった。

 15日のNYダウは89ドル高で続伸。午前中はジョンソン・エンド・ジョンソンやコカ・コーラの好決算を背景に上昇。しかしウクライナ情勢の緊迫化に加え、この日はアメリカの確定申告期限で納税資金のために現金化するニーズもあり110ドル安まで下げる場面があった。終盤に半導体関連などハイテク系主体にプラスまで盛り返すが日中値幅209ドルの乱高下。NASDAQは11ポイントしか上昇しなかった。取引終了後に発表されたインテルの決算は1株あたり利益が市場予測を上回りまずまずの結果、ヤフーの決算は小幅の増収で、ともに時間外取引で急上昇した。16日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が140円台後半で、前日とあまり変わらない水準だった。