全国の大学で、「朝ごはんを食べよう」キャンペーンが広がっている。立命館大学は昨年10月、父母教育後援会の支援で「100円朝食」を実験的に開始。好評だったため当初の予定を前倒しし、昨年12月から本格的にスタートさせた。
同大学では、約半数の学生が一人暮らし。朝食を摂らずに生活リズムが乱れ、不規則な食生活が要因で体調を崩す学生もいたという。保護者からも、子供の健康面への不安や要望が多く寄せられていた。
大学が調査したところ、約4割の学生が朝食をきちんと採らない傾向にあると判明。特に男子の場合、1年生のうちは8割近くが朝食を摂っていたのに、2年生以上になると半数以下まで低下していた。
5年前に内閣府が行った調査でも、一人暮らしの学生ほど朝食欠食率が高く、学年が上がるにつれてその割合は増加する傾向にあった。「もっと寝ていたい」(60.5%)、「身支度などの準備で忙しい」(39.1%)、「朝食を食べるのが面倒」(32.1%)といった理由から、学生たちは朝食を適当にすませがちだ。結果的に、講義に集中できない、午前中の講義を欠席してしまうなどの問題にもつながる。
食費を節約するために学食を利用せず、栄養バランスの悪い食生活になっている学生も多い。大学生協連の調査によると、ここ10数年で下宿生への仕送り額は著しく減少。13年の下宿生の食費は1日800円に満たず、「学食は高い」という考えも広まっているようだ。
大学生協東京事業連合では、こうした問題に対処しようと12年、学食専用の電子マネーを開始。suicaやPASMOなどの交通系ICカードを「学食パス」として登録すれば、保護者が食費を入金できる。学生や保護者は、ウェブ上で利用履歴や食事の栄養バランスを確認することも可能だ。新潟大学では「学食パス」に3万円入金すると「朝食無料券」が5枚もらえるほか、年間を通して朝の定食「あさてい」を50円引きで食べられる。少しでも学生の食生活を改善しようと、大学側も知恵を絞っているようだ。(編集担当:北条かや)