【今週の振返り】午後の急落劇を繰り返して87円下落した週

2014年04月26日 20:12

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「シジフォスの石」のように、朝に14500円台まで積み上げても、昼下がりに先物に蹴り落とされた。

 正午すぎに日米首脳会談が終わり後場は安値を更新して再開。共同記者会見が始まると日経平均はどんどん下げて14400円も割り込み午後0時52分には14367円まで下落。ドル円もユーロ円も円高が進行した。TPP交渉は豚肉と自動車で大詰めの交渉を行ったが政治決着に至らず、閣僚協議をそのまま継続し合意のゴの字も出なかった。事前の期待はそんなに高くなかったが日経平均は失望売りから立ち直れない。14400円付近をベースに、少し上昇すれば上値を抑えられ下落するパターンを繰り返しながら大引けを迎えた。終値は141.28円安の14404.99円と反落。「寄り高」の下げ一方で日中値幅は196円もあった。TOPIXは-8.91の1164.90。売買高は19億株、売買代金は1兆6017億円だった。

 プラスのセクターは非鉄金属、石油・石炭、保険、建設、水産・農林。マイナス下位は電気・ガス、鉱業、ゴム製品、輸送用機器、電気機器、医薬品などだった。

 24日のNYダウは2001年12月24日以来の0.00ドル値動きなし。NASDAQは21ポイント高。アップル、フェイスブックの好決算を背景に高く始まり、耐久財受注は市場予測を上回ったが新規失業保険申請件数は下回り、GMの決算は純利益86%減。さらにウクライナ問題で上値を抑えられNYダウは売り買いが均衡した。ウクライナ軍が親ロシア派の強制排除を開始し、ロシア軍が軍事演習再開で応じて緊張が高まった。アップルは8.0%高、フェイスブックは0.8%安、GMは0.64%安。取引終了後のマイクロソフトの決算は売上も利益も市場予測を上回り、アマゾンドットコムも32%増益。25日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は141円台前半で、前日以来円高が進行していた。

 消費者物価指数(CPI)の3月全国は+1.3%で4ヵ月間変化なし。4月の東京都区部は+2.7%で、そのうち1.7%は消費増税分と試算されていたので実質+1.0%。危惧された3%超えはなく安心感がひろがった。

 日経平均は35.27円安の14369.72円で始まった。TPP交渉の大筋合意もできず日米共同声明は「二国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」「まだなされるべき作業が残されている」と苦渋の表現。交渉先送りのダメージが尾を引いたのか開始数分で14350円を割り込み、午前9時11分には14327円まで下落する。為替のドル円も高止まりしていた。しばらく14360~14380円のレンジで小動きしたが、9時45分頃から為替の円安反転を受け突然、TOPIXを露払いに先物主導の急上昇が始まる。10時までにプラスに浮上し14450円を超え、10時10分頃には14500円を突破して10時13分に14554円まで上昇した。しかし中国市場が軟調に転じたこともあり円安も日経平均の上昇も一服。後は25日移動平均線の14508円で抑えられて推移し、前引は14495円だった。

 後場は水準を切り下げて再開。今週は午後0時台は下落が始まる「危険な時間帯」だったが、この日も上昇幅をどんどん圧縮。一度はタッチの差でマイナス転落を免れるが1時15分に割る。前日終値近辺の小動きでプラスとマイナスを行ったり来たり。どちらに転んでもおかしくなかったが、結局終値は24.27円高の14429.26円と反発し2勝3敗、前週末18日終値から87.01円下落して今週の取引を終えた。前場に大きく動いて日中値幅は227円もあった。TOPIXは+5.09の1169.99。売買高は7営業日ぶりの20億株、売買代金は1兆7578億円で10日連続の2兆円割れ。

 プラス上位は鉱業、その他金融、医薬品、ゴム製品、小売、卸売など。マイナスは不動産、証券、精密機器、化学工業、空運だった。(編集担当:寺尾淳)