【今週の展望】いつまでも「happy-go-lucky」では情けない

2014年04月27日 20:16

 今週前半の28日、30日は主要企業の3月期決算発表の前半のピークだが、これもなかなかのくせ者。市場予測という「試験の合格点」がやたらに高いので、含み資産が多くてキャッシュリッチで配当利回りも株主還元も手厚い優等生企業でもダメ出しされて株価がボロボロ下落する現象が前週、頻繁に起きていた。そうやって指数寄与度が高い主力株の株価が翻弄されれば相場の波乱要因になる。

 ただ今週、希望が持てそうなデータもある。それは日経平均の1994~2013年の20年間の日付別の騰落実績で、4月30日は月末で「ドレッシング買い」が入ると思われながら5勝6敗と負け越しだが、5月1日は9勝5敗、5月2日は9勝6敗と好成績を残している。日経平均の5月の月間騰落が2010年から4連敗しているせいなのか、5月が近づくと「Sell in May」という言葉を耳にタコができるぐらい聞かされるが、月が変わればツキも変わる、かもしれない。

 その好成績の要因の一つとして考えられるのが、連休の谷間はサラリーマンでも平日に休みがとれる場合があり、「ちょっと株でもやってみるか」と個人の買い出動がみられること。もちろん1人1回高々10万円単位の少額投資である。それで買われる銘柄といえば、株価が1ケタ、2ケタの「初心者練習用」超低位株、300円以下の低位株や、人気が長く続く低位建設株、バイオ関連や3Dプリンター関連やセルロース・ナノファイバー関連のようなテーマ株、新興市場に多いゲーム・コンテンツ関連銘柄、趣味の延長で買われる鉄道関連やエンタメ関連といったところ。前週のランキングをにぎわせたノンバンクも引き続き要注目。昨年のゴールデンウィークの谷間もそうだったが、今週はそのような個人ウケする銘柄がランキング入りしそうだ。

 さて、4月25日時点の日経平均のテクニカル・ポジションを確認すると、終値の14429円の上には14516円に25日移動平均線、14660円に200日移動平均線があり、14746~15079円に日足一目均衡表の雲が浮かぶ。一目均衡表の基準線は14524円、転換線は25日終値の下の14309円。25日線の14516円は前週は毎日、前場に必ずオーバーしていたのでそこへの回復力は今週も持続するとみて、上限と考えられるのはやはり14660円の200日線だろう。様子見、薄商いなので、雲に突っ込むような局面があればもう上々の出来。下限のほうは、ウクライナ情勢の悪化によるリスクオフや日銀会合後の「勝手に期待して勝手に失望した勢力の自作自演売り」で14300円台への下落局面はあるとみて、一目均衡表転換線の14309円がメドになるだろう。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは14300~14660円とみる。なかなかそこまでは上昇できないが、一目均衡表の雲の向こう側はいつも青空なのだろうか。(編集担当:寺尾淳)