日東電工<6988>の決算は今期営業利益が780億円で市場予測の745億円を上回って問題なく302円高。一方、村田製作所<6981>は今期の営業利益が14.4%増の1440億円でも市場予測の1507億円を下回り、30円の増配予想でもあっさり売られるかと思われたが581円高。前日に年初来安値を更新しており、これ以上、下がる余地なしとみられたか。極めつきはセイコーエプソン<6724>で、決算の今期営業利益見通しが市場予測をわずかに下回ったものの、JPモルガンがレーティングを引き上げアナリストの応援団が出現。一時ストップ高の504円高で値上がり率トップになり売買代金6位に入っていた。
通信大手のNTT<9432>が115円高、KDDIが今期営業利益見通しが2期連続最高益更新でも市場予測に届かなかったが171円高など主力銘柄に3ケタ高が目立った一日だったが、富士フイルムHD<4901>は決算で今期の営業利益、純利益が市場予測に届かず15円安で年初来安値を更新した。この日は13円高でやっと長いトンネルを抜けた安川電機<6506>やホンダのような目にあう銘柄は、この日もやはり健在だった。
「ゾゾタウン」のスタートゥディ<3092>は3月期決算が非常に良く356円高で値上がり率2位。決算がらみの材料はなくてもヤマトHD<9064>は145円高。東京電力<9501>は10円高で、北海道電力<9509>が値上がり率5位、九州電力<9508>が同11位に入るなど電力株が買われた。一方、山崎製パン<2212>は減益決算では68円安で値下がり率7位もやむなし。住友商事<8053>は後場発表した決算内容がふるわずプラス圏からつるべ落とし。6円安で終えた。
新興市場で買われたのがロボット関連。サイバーダイン<7779>は、野村證券がレーティング「バイ」、目標株価9200円でカバレッジを開始し650円高で終値7020円。菊池製作所<3444>もストップ高の500円高だった。GWは次世代ロボットの展示施設が子ども連れの人気を集めそうだ。
この日の主役は業種別騰落率1位の証券セクターと4位の海運セクター。野村HD<8604>は3月期の純利益が99%増の2135億円と8年ぶりの高水準で、自社株買いも発表して37円高。3月期の純利益が前期比2.3倍の1694億円でバブル期以来24年ぶりの最高益更新だった大和証券G<8601>は24円高。両銘柄とも今期見通しは非公開。日本郵船<9101>は6円高、商船三井<9104>は15円高、川崎汽船<9107>は15円高だった。両セクターとも4月下旬は低迷を極めたが、5月になって月が変わればツキも変わるのか急反発をみせた。しかし逆風がやんだわけではなく好調をどこまで持続できるか。(編集担当:寺尾淳)