社民党の福島みずほ副党首が2日、犬猫殺処分について政府に質問主意書を提出した。「年間21万匹の犬猫が全国の自治体に引き取られ、約16万匹が殺処分されており(環境省報告)、殺処分の削減に自治体が取り組んでいるが、自治体に任せるのではなく、国が積極的に取り組むべきではないか」と改正動物愛護法に照らし、これを反映する自治体支援などの政策を提起している。「2週間後に政府見解が示されるもよう」(福島氏)。
質問では(1)飼い主のいない猫に対する避妊や去勢の助成を自治体や一部のボランティアに任せるのでなく、国が自治体を支援すべきと考えるがどうか(2)改正動物愛護法第35条第4項で引き取った犬猫について「殺処分がなくなることを目指し、(中略)譲り渡すよう努めるものとする」ことが明記された。この主旨を実現する場合、各自治体の動物愛護センターをこれまでの殺処分施設から、新たな飼い主を見つけるための譲渡施設へと転換することが必要であると考えるが、政府の対応策は(3)各自治体で譲渡数を増やす取組が行われている。佐賀県動物管理センターでは、月に一回、譲渡会を開催、熊本市動物愛護センターでは譲渡専用施設が完成した。こうした譲渡専用施設の建設の動きを全国各地に広めるため、国は助成金を支出しているのか。していない場合には支出する予定はあるか。
福島副党首は、犬猫販売業者の実態についても国が把握しているかどうか質し、把握のための実態調査をするよう求めた。福島副党首は改正動物愛護法第22条の4で犬猫販売業者に対して、売れ残った犬猫について、「終生飼養の確保」が義務付けられた。さらに、同法第10条第3項において、犬猫販売業者は「犬猫等健康安全計画」の提出が義務付けられ、売れ残った犬猫の取扱について記載しなければならないことになった。右規定が正しく実践されているか否か、犬猫販売業者で売れ残った犬猫がどのような状態であるのか、実態調査をする必要があると考える。政府又は自治体は実態調査をしているのか。している場合は、その結果を示されたい。していない場合には国が率先して行うべきと考えるが、いかがかなどとした。
このほか、動物愛護法違反行為に対する取り組みについて、改正動物愛護法の罰則規定が適正に適用され、さらには、動物殺傷罪、動物虐待罪、動物遺棄罪が適切に運用されるよう施策を講ずるべきであると考えるが、政府はどのような方策を実施しているのか。具体的には、現場での告発などに警察がどのように対応していくかが重要になると考えるが、いかがかなどを質問している。回答はあり次第、公表するという。(編集担当:森高龍二)