BMW傘下で3代目となるNEW MINI。基幹モデルのHB車新型登場

2014年05月06日 20:15

3rd_MINI

新しいNEW MINI。写真はクーパーSだ。2リッター直列4気筒DOHCターボで最高出力136ps(100kW)/4500-6000rpm、最大トルク28.5kg.m(280Nm)/1250-4750rpmというパワフルなエンジンを搭載する

 2002年にBMWグループが開発・販売をスタートさせたMINIを業界ではニューMINIと呼んで、BMW傘下に入る前のミニをクラシックMINIと呼んでいる。MINIの単語が並んで鬱陶しいのだが、しばらくお付き合いを。その3代目となるニューMINIが正式に日本でも発売となった。

 2013年11月の東京モーターショーのプレスデーに賑々しくワールドプレミアされた、F56型のニューMINIである。

 MINIには、ハッチバックの MINI、MINI Convertible(コンバーチフル)、MINI Clubman(クラブマン)、MINI Crossover(クロスオーバー)、MINI Coupe(クーペ)、MINI Roadster(ロードスター)、MINI Paceman(ペースマン)の7車型かラインアップされているが、今回、フルモデルチェンジしたのは、基幹モデルのハッチバックのMINIである。

 日本では4月に正式発売された新型のボディサイズは拡大され“クーパーS”の全長×全高×全幅は3850×1727×1414mm、ホイールベース2495mm。旧型比で全幅が44mm拡大となり1700mmオーバーなので小さなMINIが3ナンバーサイズとなってしまった。

 ただし、実車を見ても大きくなった印象が湧いてこないのは、全体のフォルム・バランスが変わっていないからだ。箱型のボディに配されるガラスエリアの比率やピラー角、ならびにその太さ、さらにルーフの比率などをバランスさせて、大型化してもまったく違和感のないMINIの造形を継承している。確かに、エクステリアを眺めても「いったい何が変わったのか分からない」ほど、MINIらしさに溢れるデザインエレメントなのだ。

 しかし、その細部はすべて新しく、すべてのピラーをブラックアウトとし、しかもB/Cピラーはウィンドゥガラスが覆うヒドンピラー(隠れたピラー)となり、まるでグリーンハウスに浮かんでいるように見えるルーフが特徴だ。丸くて愛らしくもあるライトもMINIらしさの象徴だが、新型はロービームを点灯するとクロームリングの内側に配されたリングも点灯する。リヤ周りでものテールランプの面積を増やし、ここでもボディの大型化を感じさせない。

 刷新されたパワーユニットは2種。東京モーターショーで紹介された欧州仕様とスペックがやや異なる。まず、クーパーに搭載する1.5リッター直列3気筒DOHCターボで最高出力192ps(141kW)/4700-6000rpm、最大トルク22.4kg.m(220Nm)/1250-4750rpm。クーパーSには2リッター直列4気筒DOHCターボで最高出力136ps(100kW)/4500-6000rpm、最大トルク28.5kg.m(280Nm)/1250-4750rpmというパワフルなエンジンが搭載される。

 組み合わせるトランスミッションも新型で、6速マニュアル(MT)と6速オートマティック(AT)で、ATはBMWでお馴染みのスポーツATとなる。

 サスペンション形式は従来と同じ前ストラット、後マルチリンクだが、サスペンションを構成する部材・材質・形状は、すべて刷新された。MINIのハンドリングの特徴であるシャープな回頭特性を維持しながら、快適性を大きく引き上げた熟成したサスセッティングになった。

 最新モデルたる大きな要素は、セーフティ&ドライビングアシスト機構の数々だ。カメラによる前車間距離を維持するクルーズコントロール、プリクラッシュブレーキ付き衝突警報機能、歩行者保護機能、対向車に配慮するハイビームアシスタント、駐車支援アシスタンスなど、Dセグメントのクオリティ・モデルさえも凌駕する新機構を備える。

 ひと目でMINIと分かる伝統的なエクステリア・バランスのなかに現代のクルマとして最新のイノベーションが詰まったモデルが新型MINIといえそうだ。(編集担当:吉田恒)