話題の「とれいゆ」など盛り込む JR東日本が14年度設備投資計画を発表

2014年05月10日 19:01

 JR東日本は「究極の安全」に向けて~災害に強い鉄道作り▽サービス品質の改革~鉄道ネットワークの拡充▽地域との連携強化~震災からの復興、観光流動の創造と地域の活性化――を柱とする2014年度設備投資計画を発表した。設備投資額(単体)は、13 年度実績比440億円増の 4,550 億円。

 第一の命題に掲げられた災害に強い鉄道作りとしては、大規模地震対策を引き続き実施する。具体的には首都直下等の地震に備え、高架橋柱、橋脚、盛土、切取、レンガアーチ高架橋、電化柱の耐震補強や駅・ホームの天井・壁落下防止対策などを重点的に進めていく。

 沿岸被災線区の復旧については、鉄道での復旧方針を決定した区間の工事を推進する。その他の区間の復旧は地域全体の復興や「まちづくり」の計画策定と一体となり、地域の活性化につながる復旧を自治体などと協力しながら行っていく。

 鉄道によるネットワーク拡充では、北陸新幹線金沢開業に向けた準備の推進、また在来線では、上野東京ライン開業に向けた整備を推進する。

 このほか震災の復興とその先につながる活性化を目指して様々な取り組みが予定されている。一つには「乗る」こと自体が目的となるような、新しいコンセプトの列車づくりが挙げられる。今年度は新幹線車両を使用し、列車内に足湯や座敷席を設けたリゾートトレイン「とれいゆ」の運行を開始する。

 地域連携では「Tokyo Station City」として東京駅周辺で整備を進めている計画のうち、今年度は八重洲口駅前広場が完成する。また新宿駅、渋谷駅、千葉駅、仙台駅においては大規模ターミナル駅開発が進んでいる。中央ラインモール(武蔵境~東小金井間等)、桜木町駅高架下開発、武蔵浦和駅高架下開発を開業するほか、釜石駅ホテルや長野駅新駅ビルが完成予定だ。

 新たに運行が開始される「とれいゆ」は、「食」「温泉」「歴史・文化」「自然」を温泉街のように散策しながら列車の旅を楽しむというデザインコンセプトをテーマに新幹線車両を改造した列車。車内にはお座席指定席や湯上りラウンジ、足湯など列車内とは思えない設備が目白押しで、ネット上では早くから「乗ってみたい」などとコメントが寄せられている。震災からの復興を根幹に、その先の地域活性化へつなげていくJR東日本の新たな挑戦に期待したい。(編集担当:横井楓)