【今週の展望】もみあいの迷宮からどうすれば脱出できるか

2014年05月11日 21:02

 14日は日揮<1963>、大塚HD<4578>、ソニー<6758>、三菱UFJ<8306>、三菱UFJリース<8593>、三井住友トラストHD<8309>、三井住友FG<8316>、みずほFG<8411>、Jトラスト<8508>、王子HD<3861>、日本製粉<2001>、日清製粉G<2002>、ゼンショーHD<7550>、長谷工<1808>、沢井製薬<4555>、ロート製薬<4527>、NTN<6472>、太陽誘電<6976>、ダイフク<6383>、日本パーカライジング<4095>、デジタルガレージ<4819>、鉄建<1815>、奥村組<1833>、シチズンHD<7762>、クレディセゾン<8253>、アドウェイズ<2489>、ドワンゴ<3715>、星光PMC<4963>、ミクシィ<2121>、ニチイ学館<9792>。

 15日は第一三共<4568>、東燃ゼネラル石油<5012>、日本ガイシ<5333>、SMC<6273>、あおぞら銀行<8304>、イオンFS<8570>、第一生命<8750>、T&DHD<8795>、東急<9005>、阪急阪神HD<9042>、戸田建設<1860>、東洋水産<2875>、日産化学工業<4021>、フジメディアHD<4676>、アマダ<6113>、江崎グリコ<2206>、セリア<2782>、SUMCO<3436>、日本板硝子<5202>、ジャパンディスプレイ<6740>、七十七銀行<8341>、サンドラッグ<9989>、飯田GHD<3291>、東洋製缶GHD<5901>、サンリオ<8136>、DIC<4631>、リブセンス<6054>、スカイマーク<9204>、Klab<3656>、MUTOH-HD<7999>、マツモトキヨシHD<3088>、IIJ<3774>、サイバーダイン<7779>。

 16日はホクト<1379>、岩崎通信機<6704>、八十二銀行<8359>。

 海外の経済指標は、15日にアメリカの経済指標が集中する。12日はアメリカの4月の財政収支、13日は中国の4月の都市部固定資産投資、小売売上高、鉱工業生産、ドイツの5月のZEW景況感指数、アメリカの4月の小売売上高、輸入物価、14日はアメリカの4月の卸売物価指数(PPI)、15日はドイツ、フランスの1~3月期の国内総生産(GDP)、ユーロ圏の1~3月期の域内総生産(GDP)、アメリカの4月の消費者物価指数(CPI)、5月のNY連銀製造業景気指数、3月の対米証券投資、4月の鉱工業生産指数、設備稼働率、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、5月のNAHB住宅市場指数、16日はアメリカの4月の住宅着工件数、建設許可件数、5月のミシガン大学消費者態度指数速報値が、それぞれ発表される。

 12~15日にベトナムのホーチミン市でTPP参加12カ国の首席交渉官会合が開催される。15日はイエレンFRB議長の講演がある。16日はインドの総選挙の投票が終了して開票が始まる。10年ぶりに政権が交代するかどうか、世界が注目している。

 アメリカ主要企業の決算発表は、14日はディア、シスコシステムズ、メーシーズ、15日はアプライド・マテリアルズ、コールズ、ノードストロームが発表する予定。

 前週、連休明け3日間の日経平均は、先物の下落がワルノリ売りを呼び込んだ末の衝撃的な7日の424円安を、8、9日の2日間でその半分すらも取り返せなかった。誰かの怒りに触れたわけでもないのに「大陸ヨーロッパ勢」の魔の手で15000円を狙える好ポジションから無残に突き落とされ、出口がわからない「迷宮(ラビュリントス)」に閉じ込められて、這い上がる力も弱々しくただ、あてもなくさまようばかり。上昇のヒントになるような「アリアドネの糸」でも、持続可能性に欠ける「イカロスの翼」でもかまわないから、もみあいの迷宮から脱出できる何かを得ることができるかどうかが、今週の日本株を運命づけそうだ。

 それは何か。第一は「為替の円安」、第二は「アメリカのモメンタム銘柄の上昇」、第三は「ウクライナ情勢の好転」で、外部要因ばかり。主要企業の3月期決算発表などは後方に追いやられ、日銀の追加緩和期待は当分の間、遠のいてしまった。外部要因に左右されるのは、日本が日付変更線のすぐ西にあるから仕方がないこと。世界中のプラス材料、マイナス材料をいち早く織り込んで、1日のうちで最も早く結果を出してくれる便利な存在が、日経平均という株価指数だからだ。

 第三の「ウクライナ情勢の好転」は11日の住民投票の結果を受けてのロシアのプーチン大統領の政治的な判断次第。危機が去れば東京市場もムードが明るくなる。第二の「アメリカのモメンタム銘柄の上昇」は、子会社アリババのアメリカでの上場を控え、日経平均寄与度御三家の一角、ソフトバンク<9984>の株価を通じて日経平均に影響を及ぼす傾向が強まっている。そのため最近はNASDAQ総合指数の動向から目が離せなくなっている。だが、今週の日経平均株価の変動を最も大きく左右しそうな外部要因といえば、第一の「為替の円安」ではないだろうか。