ホンダの軽乗用車「N-WGN(エヌ・ワゴン)」が、自動車の安全性能を試験・評価する平成25年度自動車アセスメント(Japan New Car Assessment Program:JNCAP)において最高評価となる「新・安全性能総合評価ファイブスター賞」を、軽自動車として初めて受賞した。また、「軽自動車部門 JNCAP大賞」も同時受賞している。
「ファイブスター賞」は、新評価基準が採用された平成23年度以降で、軽自動車として初めて。試験車両は「N-WGN(エヌ・ワゴン)」G・Aパッケージ。
JNCAPとは、国土交通省と独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA)による自動車安全性能評価だ。
NCAP(New Car Assessment Program)とは、アメリカで1979年から実施されている試験で、実際には米国運輸省の道路交通安全局が行なっている。1996年(1997年式モデル)から側面衝突安全性、2000年(2001年式モデル)からは転倒時安全性も加えられている。目的は、車両購入時(中古をも含む)の意思決定に正確な安全性データを提供することにある。星マーク1個から5個で評価され5個が最高点。
同じような基準が欧州にもあり、こちらは「Euro NCAP」とされていて、日本の試験方法は、どちらかというとユーロに近い。
日本に於けるJNCAP「新・安全性能総合評価」の具体的な試験とは、時速55kmで正面衝突させるフルラップ前面衝突、時速64kmで運転席側を衝突させるオフセット前面衝突、台車を時速55kmで横から衝突させる側面衝突、後面衝突頚部保護性能、歩行者頭部保護性能、歩行者脚部保護性能、シートベルトリマインダーを1ポイント~5ポイントで評価する。
ホンダN-WGNは、衝突時の衝撃(G)をコントロールするホンダ独自の衝突安全技術「G-CON」を採用している。乗員だけでなく、相手車両や歩行者に与えるダメージも軽減するボディ構造を採用しているわけだ。このボディ骨格はホンダのすべてのモデルで採用する構造だ。
加えて、6つのエアバッグや、渋滞中などで前のクルマとの衝突回避を支援する「シティブレーキ・アクティブシステム」、急ブレーキを後続車に知らせる「ESS(エマージェンシー・ストップシグナル)」、急なハンドル操作による横滑りを抑制する「VSA(ヴィークル・スタビリティ・アシスト/車両挙動安定化制御システム:一般に「横滑り防止装置」という)」などの安全装備が充実しているのも特徴だ。
なお、平成25年度自動車アセスメントにおいて、「アコード・ハイブリッド」、「フィット」の2車種も新・安全性能総合評価5つ星の「ファイブスター賞」を受賞した。他のメーカー&モデルでは、トヨタ・クラウンも「ファイブスター賞」を受賞。また、輸入車として初めてフォルクスワーゲン・ゴルフがJNCAP「ファイブスター賞」を獲得している。これは新・安全性能総合評価基準導入後、輸入車として初の受賞だ。
JNCAPの最新情報はNASVAのホームページで常に公開されている(編集担当:吉田恒)