この春からスタートした消費税8%。今のタイミングで増税に踏み切ることは経済の失速をも招きかねない非常にリスクの高いものであり、首をかしげる専門家も少なくない。今回の消費税増税の理由として財務省は、「社会保障の財源」と説明している。つまり、少子化による社会保険等の負担を軽減するために国民全体でその負担を担おうというのがその理由である。ところが、その裏側では欧米による増税への圧力があったことは意外と知られていない。
そもそも安倍首相は、当初から消費税増税に対して非常に慎重な姿勢で臨んでいた。増税によって景気の冷え込みが招かれることは少し考えれば誰でも分かること。その証拠に、多くの専門家は今後の景気の冷え込みを危惧している。それにも拘わらず増税に踏み切ったということは、そうせざるを得ない何かがあったと考えるのが自然だろう。それが先述した欧米からの圧力である。
欧米が日本に増税を迫った理由は、増税による余剰資金である。国内景気を冷え込ませる増税によって流出した余剰資金を獲得すること、それがすなわち欧米ファンドの利益となる。しかも、日本で増税が決まる前からすでに安倍首相の増税決断を称賛するという徹底ぶりだった。日本は外国向け資金の提供国としては世界トップクラスであり、それを支えているのが我々国民である。内需の落ち込みによって消費を抑えた結果、逆に家計金融資産の増加をもたらした。
家計金融資産とはつまり、我々が銀行に預けているお金のことである。これらの資産を金融機関は投資という形で運用する。この投資先が外国証券であったりするわけだ。消費増税によってますます国内消費が落ち込めば、銀行に預けられるお金が増えて日本国外へ提供される資金をもっと引き出せるという思惑があるのだ。それは欧米各国に限らず、IMFやG20もそれを望んでいる。そしてその先には、破綻寸前にまで追い込まれている韓国経済を救うための資金を日本から引き出そうという狙いまで垣間見える。こうなると、もはや国民のための増税だとは言えなくなってくる。
IMFの本部があるのは言わずと知れたアメリカ。そもそも韓国の大企業や主要銀行のほとんどが外資によって支えられている。そのなかに、アメリカのシティ系バンクが実質的なオーナーを務めている銀行がある。日本に増税を迫るIMFと米国を中心とした欧米各国??こういった構図を考えたとき安倍首相の突然の靖国参拝でさえ、もしかしたらささやかな抵抗だったのかとも思えてくるのは筆者だけではないはずだ。
韓国の反日感情をさらに煽ることで、日本の余剰資金を狙う欧米の狙いを削ごうとしたのではないか。だからこそ、米国は靖国参拝に対して「失望した」という強い嫌悪感を露わにしたのかもしれない。増税に踏み切った安倍首相を批判する声も多く聞かれるが、国内世論と欧米の思惑との板挟みとなった安倍首相が、一番の被害者なのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)