我々は何歳まで働くのか」 総務省統計では65歳以上は働きたくない

2014年05月21日 01:28

 筆者の年齢は50歳代前半だ。今は年金は65歳から受給されているが、筆者の世代では70歳からとなるだろうとよく言われる。これは、簡単に言えば少子化や高齢化で年金を払う人口が少なくなるからだ。実際、田村厚生労働相は13日の閣議後の会見で、選択性ではあるが年金の受給開始年齢を75歳まで拡大する考えがあると発表している。

 つまり、当り前のことだが年金受給開始の年齢がどんどん高くなる。我々は何歳まで働くのか。そして、労働者は何を考えているのか。総務省統計局は13日、2014年1月~3月期平均の「労働力調査」の集計結果を発表した。まずはその結果からみてみよう。

 それによると、役員を除く雇用者5193万人のうち、正規の職員・従業員は前年同期に比べ58万人減少し、3223万人となった。非正規の職員・従業員は100万人増加し、1970万人と四半期ごとに集計を開始した2002年1~3月期以降最多となった。

 非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由で最も割合が高いものをみると、男性では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が前年同期に比べ5万人減少、女性では「家計の補助・学費等を得たいから」が8万人増加した。

 また、完全失業者239万人(前年同期に比べ38万人減少)のうち、失業期間が「1年以上」の者は前年同期に比べ19万人減少し、90万人と2008年7~9月期以来の低い水準となった。

 非労働力人口4550万人(前年同期に比べ10万人減少)のうち就業希望者は443万人で前年同期に比べ3万人減少した。就業非希望者は3986万人で25万人減少。なお、就業非希望者のうち「65歳以上」は62万人増加となった。

 この結果で注目したいのが、就業非希望者のうち65歳以上が増加していること。人によるだろうが65歳過ぎても働きたいと思う人は少ないだろう。しかも、現在ではこの年齢のラインから年金が受給されているからなおさらである。

 もちろん、生活やお金の問題ではなく、自分のポリシーやチャレンジ精神つまり「死ぬまで現役」という方も多い。しかし、現在65という数字が十数年後には70、さらには75になると思うと先が思いやられるのは筆者だけか。年金に頼らない人生設計が必要な時代なのだ。(編集担当:慶尾六郎)