【日経平均】一時は14500円台にも乗せて124円高で続伸

2014年05月23日 20:17

 3連休前の22日のNYダウは10ドル高。朝は安く始まったが午後はずっと小幅高水準を維持した。NASDAQは22ポイント高。マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)など生産指標が良く、市場予測を下回った4月の中古住宅販売件数、新規失業保険申請件数を補った。2~4月期決算で黒字転換を果たしたベスト・バイは3.4%上昇。ITやバイオなどのモメンタム銘柄は活発に買い戻され、クラウド関連のセールスフォース・ドットコムは6.1%上昇した。23日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は139円台近辺。タイでクーデターが起き、大統領選挙直前のウクライナでは戦闘で死者が出たが、前日に比べてユーロは高くなった。

 シカゴCME先物清算値は14390円。アベノミクス相場に浮かれていた環境を激変させた1143円安の「5・23大暴落」から1周年になる日の日経平均は73.31円高の14411.10円と、続伸し14400円台に乗せて始まった。14400円を割り込むことはなく、前日同様にときどき休みを入れながら徐々に値を刻んで上げるという〃健康的な〃上昇パターンをたどる。日経平均先物は14500円に一瞬タッチし、現物も10時19分に14496円まで上昇して14500円に迫る。上海、香港をはじめアジア市場も全面高。おおむね14450~14480円の値幅で小動きして前引は14473円だった。

 後場はいきなり14500円台に乗せて再開し午後0時38分に14528円の高値をつけるが、その後は14500円を軸に上下30円程度の値幅の小動きが延々と続いて、午後の「シエスタ」中。2時に気象庁が6~8月の3ヵ月予報を発表した。「エルニーニョ発生で冷夏になる」と言われるが、北日本の気温は平年より低くなるものの東日本、西日本は普通の暑さの夏になる予報で日経平均はほとんど反応しなかった。それでも2時台には為替が徐々に円高方向に振れ、日経平均もジリジリと値を下げて14500円がだんだん遠くなる。利益確定売りの金曜日で終盤に14400円台後半で少し上下動し、ようやく〃お目覚め〃。終値は124.38円高の14462.17円と続伸し、3勝2敗、前週末16日の終値から365.58円上昇して今週の取引を終えた。昨年の5月23日の終値は14483.98円で21円しか違わなかった。日中値幅は124円で前日よりも圧縮。TOPIXは+11.10の1180.44で続伸。売買高は20億株で2日連続で20億株を超えたが売買代金は1兆8527億円だった。

 東証1部の値上がり銘柄は1375で全体の75%を占め、値下がり銘柄は323。33業種別騰落率は33業種がプラス、3業種がマイナスで、値上がり上位は鉱業、不動産、ゴム製品、機械、保険、石油・石炭など。下位は化学工業、倉庫、陸運など。値下がり業種は空運、パルプ・紙、水産・農林だった。

 日経平均採用225種は値上がり167銘柄、値下がり47銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+17円、2位はファナック<6954>で+10円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-4円、2位は花王<4452>で-2円だった。

 メガバンクはみずほ<8411>は1円安だったが、三菱UFJ<8306>は13円高、三井住友FG<8316>は49円高。りそなHD<8308>は17円高で3.32%上昇した。野村HD<8604>は6円高。円高一服で自動車大手のトヨタ<7203>は31円高、ホンダ<7267>は29円高。自動車部品のデンソー<6902>も215円、4.97%の大幅高。電機大手はまちまちで、富士通<6702>は9円高で年初来高値を更新しパナソニック<6752>は12円高だったが、日立<6501>は2円安だった。日本電産<6594>は218円高と3ケタ上昇していた。

 東レ<3402>は前日、7年ぶりに1000億円規模の転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行と発表。希薄化懸念があるエクイティファイナンスだが「炭素繊維事業の投資」という使い途のスジが良く7円高。JXHD<5020>は2016年3月までに資産を2000億円圧縮するバランスシート改善が好感され9円高。伊藤忠エネクス<8133>は日産<7201>系ディーラーの買収効果で今期営業利益12%増という業績観測で2円高。住友精密工業<6355>は川崎重工<7012>と共同でカザフスタンに低コストで天然ガスを軽油に転換する設備を建設と報じられ28円高で値上がり率4位。川崎重工は5円高だった。