【今週の振返り】円高基調でも365円高で3週間ぶり上昇の週

2014年05月24日 20:11

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ドル円がずっと101円台でも日経平均が14500円台に届いたのは、需給など地合いが好転したおかげ

 前週末16日のNYダウは44ドル高で3日ぶりに反発し、NASDAQ総合指数は21ポイント高と買い戻されたが、午後3時頃までは軟調な地合いが続いた。経済指標は住宅着工件数が大幅増でもミシガン大学消費者態度指数速報値が市場予測を下回るなど強弱交錯。NYダウは前日終値をはさんだ一進一退が続いた。GMはリコール問題で3500万ドルの制裁金支払いに合意し1.1%下落。業績回復期待が出た百貨店のJCペニーが16.3%上昇したのが目立ち、ベライゾンは「ウォーレン・バフェットが買った」という情報で2.3%上昇した。19日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が139円台前半で前週末と同程度だった。

 日経平均は33.50円高の14130.09円と反発して始まる。TOPIXはすぐマイナス圏に下がるが、日経平均は午前9時8分に14108円まで下げながら9日のSQ値14104円が下値サポートになってプラスを維持し、14110~14130円の狭いレンジで小動き。それでも9時34分にはマイナス圏に落ちるが、9時41分の14075円を底に9時台のうちにプラス圏に復帰する。10時台、TOPIXがプラスに浮上し一時14150円近くまで上昇する時間帯もあったが、上値をあっさり押し下げられた後は為替も動きが止まり、おおむね14100円台でくすぶり続けて前引は14106円だった。

 後場は14120円を超えても上昇はそこで止まり、逆にマイナスまで下げられる。上海市場も香港市場もマイナスだが底堅く14000円は割らない。4月の首都圏新規マンション発売戸数は39.6%の大幅減で3ヵ月連続の減少。日経平均は敏感に反応して午後1時ジャストに安値を更新。後場は安値更新を繰り返しながら水準を切り下げていく。2時35分にはついに14000円を割り込み13991円をつけるが瞬間で戻す。前週連日みられた終盤の上昇はこの日は起こらず、逆に大引け前に下落。終値は90.15円安の14006.44円で4日続落しながらなんとか大台を保った。日中値幅は159円。TOPIXは-9.00の1150.07で3日続落。売買高は17億株、売買代金は1兆5503億円で、商いはまた薄くなった。

 プラス業種は上昇率の大きい順にパルプ・紙、陸運、小売、空運、医薬品、鉱業。マイナス業種の下位はその他金融、ゴム製品、不動産、機械、鉄鋼、保険などだった。

 週明け19日のNYダウは20ドル高と続伸。NASDAQは35ポイント高だった。医薬品大手のファイザーによる英国アストラゼネカへの買収提案は、買収価格を再度引き上げてもアストラゼネカは拒否し破談。ファイザーは財務負担が減ると好感されNY市場で0.6%高。AT&TのディレクTV買収が発表されたが両銘柄とも値を下げた。モメンタム銘柄はおおむね上昇し、スマホの特許訴訟で和解したアップルは1.18%高、グーグルは1.58%高。20日朝方の為替レートはドル円が101円台半ば、ユーロ円が139円台前半で前日夕方とほぼ同じ水準だった。

 日経平均は82.01円高の14088.45円と反発で始まる。序盤約15分は上下14円幅しか値が動かなかったが、午前9時37分に14041円、9時55分に14039円まで下げる。それでもプラス圏は維持。変化が現れたのは10時45分頃からで、上海も香港もプラスで始まり為替がユーロ高に向かうと日経平均も14100円にタッチ。前引は14126円だった。

 後場は再開直後に高値を更新しながら上昇し、午後0時50分に14144円をつける。昼休みに自民党の日本経済再生本部の第2次提言に関するロイター電が入り、その中にGPIFの運用とガバナンスの改革案があり材料視された。成長戦略に反映させるという。しかし上値はそこまで。日経平均は1時15分頃までは14120~14150円、その後はおおむね14100~14120円の狭いレンジで動く。21日の日銀会合の結果待ち、22日の中国のPMI発表待ちの薄商いで上値を追うエネルギーに乏しく、日銀会合の結果発表前日でもイベントドリブンを仕掛ける勢力の影は薄かった。終盤に下落して14100円を割り込み、終値は68.81円高の14075.25円で5日ぶりに反発した。「アベノミクス相場で日経平均の5日続落はまだない」というアノマリーも健在。日中値幅は106円。TOPIXは+3.31の1153.38で4日ぶりに反発。売買高は17億株、売買代金は1兆5610億円だった。

 プラス上位業種は電気・ガス、空運、サービス、水産・農林、その他製品、証券など。マイナス下位業種は石油・石炭、その他金融、銀行、機械、ゴム製品、卸売などだった。