パナソニック<6752>はノートパソコン用バッテリーパック4万3140個の無償交換に応じると発表したが13円高。シャープ<6753>は売買高2位と買われ10円高。東芝<6502>は同10位で4円高。一方、日立<6501>は7円安。ソニー<6758>は18円安で低迷なお続く。ローム<6963>は210円高で連日の年初来高値更新。自動車関連部品への傾斜を評価しメリルリンチが目標株価を引き上げた。太陽光発電のサニックス<4651>は、今期予想140億円に対し16年3月期240億円、17年3月期340億円という中期経営計画が好感され、145円高で年初来高値を更新し値上がり率1位だった。
4月の建設機械出荷額が発表され、10.7%増で9ヵ月連続で前年同月比プラスでも内需は3年1ヵ月ぶりの減少。コマツ<6301>は15円安、日立建機<6305>は9円高。建設株は前日の余韻が残って好調で、大林組<1802>は4円高、鹿島<1812>は高値引けの16円高、西松建設<1820>は2円高で、いずれも年初来高値を更新した。不動産セクターは前日の三井不動産<8801>の「ファイナンス・ショック」が尾を引き業種別騰落率31位と低迷。三井不動産は後場持ち直して11円高だったが、三菱地所<8802>は20円安、住友不動産<8830>は39円安だった。
住友金属鉱山<5713>は45円安で値下がり率13位。4月からニッケル価格の上昇に比例して株価も上昇したが、高値圏に達したため前日のLMEニッケル価格が軟化すると売りを呼んだ。非鉄金属セクターは業種別騰落率最下位に沈んだ。
食品大手のキッコーマン<2801>はゴールドマンサックスが目標株価を引き上げ5円高で年初来高値更新。味の素<2802>はゴールドマンサックスがレーティングを引き上げ41円高で年初来高値更新。日清食品HD<2897>はゴールドマンサックスとシティGが投資判断を引き上げ10円高。どれも世界的ブランドを持つので「内需ディフェンシブ系」と言えば失礼だが、強固な国内基盤を持ち為替変動に強い点が見直されていた。
資生堂<4911>は新商品を4割増やし店頭の品揃えを大幅に入れ替える施策をとると伝えられ23円高。4月に東証1部直接新規上場のジョイフル本田<3191>は大引けでTOPIX構成銘柄に組み入れられ、370円高で上場来高値を更新し値上がり率9位だった。
コナミ<9766>は国会でカジノ関連法案が可決されることを条件に国内でカジノ事業を展開する投資会社を設立と報じられ18円高。前日大人気でどの東証1部銘柄よりも売買代金が多かったジャスダックの日本マイクロニクス<6871>と日本通信<9424>は、東証が朝から信用規制を発動してそれぞれ530円安、44円安。投資家の欲求不満はミクシィ<2121>に向かい、990円高で売買代金約470億円は東証1部1位のソフトバンクとトヨタの間に入った。65円高のクルーズ<2138>、50円高のガンホー<3765>も活発な売買を伴って上昇。東証マザーズは2.46%高で8日続伸、日経ジャスダック平均は0.84%高で6日続伸と、快進撃中だ。
この日の主役は日本水産<1332>。今期純利益が94.4%増の決算見通しを発表したのは5月15日だが、2週間たったこの日、SMBC日興証券と大和証券がレーティングを引き上げ30円高で年初来高値を更新した。ランキングでは売買高12位、値上がり率2位に入った。いつもは地味な存在の農林・水産セクターは業種別騰落率1位になった。(編集担当:寺尾淳)