日立<6501>は無漏洩ポンプ最大手の帝国電機製作所<6333>と提携し4円高。帝国電機は48円高。サウジアラビアに納入したポンプを日立が保守・修理する。高音質のハイレゾ音源技術を持つオンキヨー<6628>は英国セブンデジタル社と業務提携し音源配信先を英米に拡大と報じられ9円高。菱洋エレクトロ<8068>の2~4月第1四半期は好調だったが、7月中間期の業績見通しが据え置きで営業利益の進捗率43.2%が物足りないと55円安で値下がり率6位になった。
総務省がNTTドコモ<9437>などと現行の100倍の高速通信が可能な「第5世代(G5)」携帯通信システムを開発すると伝えられた。それに関わるモバイル基地局用計測器メーカーのアルチザネットワークス<6778>は213円高で年初来高値を更新。KDDIはドコモに対抗し新料金プランを導入する方針を固めて124円高。中国の華為(ファーウェイ)がSIMフリーの格安スマホを日本で発売するニュースもあり、モバイルをめぐる話題は尽きない。
農業機械の井関農機<6310>は前日、上限450万株、10億円の自社株買いを発表して5円高。建築資材のネット販売のサンワカンパニー<3187>は良品計画<7453>と3種類のキッチンの共同販売で合意したと発表しストップ高の150円高。良品計画は130円安。「無印良品」の店舗でも販売する。
この日5円安の丸紅<8002>と組んで海外で石炭火力発電所の建設に乗り出すと報じられた東京電力<9501>は、2時に政府が「原子力損害賠償法」の改正作業に着手するという日経電子版のニュースが入り急伸し21円高で値上がり率16位、売買高10位、売買代金12位。電力会社の無限責任原則が見直される期待で北海道電力<9509>10円高など他の電力株もプラスになり、電気・ガスは業種別騰落率2位に入った。
アステラス製薬<4503>は2019年3月期まで7期連続で増配を続ける強気の計画を明らかにし10円高。後場にはUMNファーマ<4585>が開発したインフルエンザ予防ワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請と発表し、UMNファーマはストップ高の500円高。防虫剤の白元(非上場)が民事再生法を申請して事実上倒産。アジア投資<8518>は発行済株式数の13.55%を保有し、営業投資有価証券評価損を8.39億円計上する見込みで3円安になった。
くらコーポレーション<2695>は4月中間期予想を3割減益から増益に上方修正し30円高。サイドメニューが好調。最近の回転寿司は意外なメニューを回しているが、やはり王道はマグロ。マルハニチロ<1333>は完全養殖クロマグロを2016年から出荷すると発表し21円高と買われていた。
「アジア安全保障会議」に出席する安倍首相が合間にシンガポールのホテルのカジノを視察するとわかり、カジノ関連銘柄のオーイズミ<6428>は71円高で値上がり率6位、日本金銭機械<6418>は60円高。ミクシィ<2121>の異常人気はこの日も続き、1060円高で売買代金は東証1部トップのソフトバンクを76億円も上回った。ガンホー<3765>は17円高、Klab<3656>は一時ストップ高の123円高で9日続伸し値上がり率2位、スクエニHD<9684>は103円高で同7位と、ゲーム関連銘柄は軒並み高だった。
MSCI標準インデックス新規採用銘柄のジャパンディスプレイ<6740>は売買代金11位で19円高、光通信<9435 >は160円高、名古屋鉄道<9048>は売買高2位、売買代金6位に入り6 円高で終了。一方、除外銘柄の昭和電工<4004>は売買高1位、双日<2768>は同4位、宇部興産<4208>は同5位で、いずれも株価はマイナスだった。
この日の主役は「再生医療」。日経新聞が、再生医療技術を用いて心臓の筋肉、神経、網膜などを安く、大量につくり出すプロジェクトに産官学連携で乗り出すと報じた。経済産業省は4チームそれぞれ1~7億円の補助金を出す。主役と目されるバイオベンチャーのリプロセル<4978>は111円高。必要な技術を持ちプロジェクトへの参加がささやかれるのがニプロ<8086>、富士フイルムHD<4901>、クラレ<3405>、大陽日酸<4091>、ニコン<7731>、大日本印刷<7912>など。業種はさまざまだが「再生医療関連銘柄」として投資家の人気を集めそうだ。(編集担当:寺尾淳)