【日経平均】上がるも下がるもソフトバンク次第で11円高

2014年06月05日 20:12

 4日のNYダウは15ドル高。NASDAQ総合指数は17ポイント上昇した。S&P500は史上最高値更新。市場予測と比べるとADP雇用統計は悪いがISM非製造業景況感指数は良いなど経済指標が強弱まちまちで、ECB理事会と雇用統計発表を前にした様子見ムードに支配されながらも午後は小幅高の水準を保った。ツイッターが0.98%高などモメンタム銘柄はおおむね好調。第一生命<8750>が5822億円で買収と正式発表したのを受けてプロテクティブは18.1%高になった。

 シカゴCME先物清算値は15165円。取引時間前の外資系証券の売買注文動向は買い越し。日経平均は44.63円高の15112.59円と15100円台に乗せて始まり、午前9時15分に15141円のピークをつける。しかし10時直前に15100円を割り込み、為替の円高に伴ってズルズル下落してTOPIXから先にマイナスになり、日経平均も10時27分にマイナスに落ちて15065円まで下げる。移動平均線や日足一目均衡表の「雲」などほとんどのテクニカルラインを下に置いている高値圏なので、いつ先物売りが入って下落するかわからない「高所恐怖」がつきまとう。韓国のKOSPI指数は、前日の統一地方選挙で朴槿恵(パク・クネ)政権の与党が巻き返してほぼ「引き分け」だったが下落。上海市場も香港市場もマイナスで始まる。日経平均はおおむね15067円の前日終値と15090円の間のプラス圏で小動きして、前引は15075円だった。

 後場はプラスを維持できず午後0時台のうちにマイナス圏に沈む。1時13分に15020円まで下落するものの15000円の大台は維持する。1時台は15030円前後の水準で小動きが続いた。この日の日経平均の値動きは上昇も下落もソフトバンク<9984>のそれとピタリと連動し、まるでペアで社交ダンスをしているかのよう。ソフトバンクが株価をプラスに戻すと日経平均も2時台後半にはプラスに浮上した。しかし11連騰がかかっていたTOPIXはなおもマイナス。騰落は最後までわからなかったが、日経平均終値は11.41円高の15079.37円で4日続伸。海外の重要イベントを控えて上値は追いきれず。日中値幅は125円だった。TOPIXは結局プラスに浮上できず-1.20の1232.75で連騰は10でストップし、11日ぶりに反落した。売買高は20億株、売買代金は1兆8664億円だった。

 値上がり銘柄は834、値下がり銘柄は799でプラスがリード。しかし業種別騰落率は14対19でマイナス優勢。上昇業種上位は空運、精密機器、鉄鋼、小売、金属製品、食料品など。下落業種下位は保険、水産・農林、その他金融、医薬品、不動産、陸運などだった。

 日経平均採用225種の値上がりは86銘柄、値下がりは122銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+19円、2位はアサヒGHD<2502>で+6円。マイナス寄与度1位はアステラス製薬<4503>で-4円、2位はエーザイ<4523>で-3円と医薬品大手が上位を占めていた。

 メガバンクはみずほ<8411>値動きなし、三菱UFJ<8306>2円安、UBSがレーティングを引き上げた三井住友FG<8316>25円高とまちまち。野村HD<8604>は2円安。四輪、二輪の自動車大手14社がコストダウン、競争力強化を図るべく汎用性の高い部品、部材、半導体の仕様を統一すると報じられた。日産<7201>は3円高だったが、トヨタ<7203>は17円安、ホンダ<7267>は7円安、マツダ<7261>は1円安。電機大手は日立<6501>が3円安、東芝<6502>が3円高、ソニー<6758>が3円安、パナソニック<6752>が1円高とまちまちだったが、シャープ<6753>はドイツ証券がレーティングを引き上げ売買高2位、売買代金11位と買われ11円高になった。

 値上がり率1位はパソコン周辺機器のピクセラ<6731>で22円高。防衛関連の東京計器<7721>は23円高で値上がり率4位で、航空電子<6807>も67円高で年初来高値を更新した。値上がり率2位にはエムアップ<3661>、11位にはネオス<3627>と前日に続きLINE関連銘柄が入ったが、エイチーム<3662>は逆に値下がり率14位だった。大日本スクリーン製造<7735>はシティGがレーティングを引き上げ24円高で値上がり率16位。NTT<9432>は63円安、KDDI<9433>は35円安と反落した。