財源先送り、引き下げ先行決定 法人実効税率

2014年06月14日 17:40

 日本生産性本部の催しに出席した安倍晋三総理は法人税について「実効税率を数年間で20%台に引き下げていくことを目指す」と紹介し、「来年度から始める」とした。

 安倍総理は「財源も確保していくわけだが、年末を待たずに骨太の方針に明記にすることとした。日本の競争力をさらに向上させる。生産性も向上させていく。企業の経営者の皆さんにどんどん設備投資をして頂かなければ、生産性はあがらないので、これは機械だけではなく、人材にも投資をして頂いて、日本の競争力を引き上げ、潜在競争力も上げて、日本がもっともっと成長していくようにして頂きたい」とあいさつした。

 安倍総理は「しっかりと官民あげて生産性をあげ、成長させ、世界においても稼げる日本となり、雇用の場を創造し、国民生活の向上に向け全力をつくしていきたい」と人材への投資も含め、生産性向上に理解と協力を求めた。

 また、改革が遅れていた分野の岩盤規制に切り込んでいる例として農業分野、特に農協改革をあげ、「基本的には次の国会に農協改革のための法律を出していく。皆様に見える形で、こんなに改革が進んでいるのだなと理解頂きたいと思う」と語った。

 法人税の改革については「日本の立地競争力を強化する一環だ」として「法人実効税率を国際的に遜色ない水準に引き下げる。そのため、数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることをめざし、来年度から始める」ことを骨太の方針にあげた。

 財源は「課税ベースの拡大など、恒久財源の確保を図ることを含め、年末にむけて議論、具体化を図る」として、法人実効税率の引き下げだけ先に決め、肝心の財源については具体化を先送りした。経済財政諮問会議で麻生太郎財務大臣は財源確保がないまま、引き下げだけ先行決定したことに気重な様子。(編集担当:森高龍二)