23日のNYダウは9ドル安で7日ぶりに小反落。NASDAQは0.63ポイントのわずかな上昇だった。マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は2010年5月以来の高水準で、中古住宅販売件数が市場予測を大幅に上回る4.9%増と経済指標はおおむね好調でも、ユーロ圏PMIの不振を受けたヨーロッパ株の軟調や高値警戒感による利益確定売りに上値を抑えられ、マイナス圏で終日、方向感を欠いた。好調な住宅指標を受けてKBホームが1.2%高、ホーム・デポが0.5%高など住宅関連は堅調だった。24日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が138円台半ばで円高が進行していた。
安倍内閣は、成長戦略を発表する途中から日経平均がズルズル下げて終値が519円安になった昨年6月5日の出来事に懲りたのか、この日の「新・成長戦略」「250項目の規制緩和」などの閣議決定、発表は東京市場の取引時間を避け、午後6時30分から安倍首相が記者会見するスケジュール。シカゴCME先物清算値は15320円。日経平均は68.78円安の15300.50円と反落で始まった。TOPIXもマイナス。序盤急速に下落し、午前9時16分に15252円で底を打って9時台のうちに15300円超まで戻す。10時台に再び15270円近辺まで下げ、その後は11時までおおむね15270~15300円のレンジで動く。上海市場はマイナス、香港市場はプラスで始まる。11時台には15300円を突破して11時8分には15329円まで上昇し、前引は15313円だった。
後場はこの日の高値を取って再開。午後0時40分すぎにはプラスに浮上した。為替に大きな変化はなく「新・成長戦略」への期待感で主力株に買いが入って値を戻した模様。しばらく小幅高水準で推移したが、1時30分頃から一段高になり1時37分に15424円まで上昇する。その後もマイナスになることはなく、おおむね前日終値15369円と15400円の間の狭いレンジの値動きが大引けまで続く。終値は6.96円高の15376.24円と小幅続伸。日中値幅は172円だった。TOPIXは+1.02の1268.50で3日ぶりに反発。売買高は20億株、売買代金は1兆8650億円で、前日よりも商いは増えていた。
値上がり銘柄は全体の62%の1127、値下がり銘柄は529。プラスは24業種、マイナスは9業種。プラスのセクター上位は水産・農林、食料品、空運、電気・ガス、繊維、小売など。マイナスのセクター下位は鉱業、不動産、パルプ・紙、鉄鋼、輸送用機器、ゴム製品などだった。
日経平均採用225種は値上がり118銘柄、値下がり87銘柄。プラス寄与度1位は信越化学工業<4063>、2位はソフトバンク<9984>でともに+3円。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で-5円、2位はホンダ<7267>で-3円だった。
みずほ<8411>は株主総会だったが値動きなし。8円配当を求める株主提案は否決された。三菱UFJ<8306>は6円安、三井住友FG<8316>は28円安。NISA購入額が3月末までに1兆円を突破と発表されたが野村HD<8604>は値動きなし、大和証券G<8601>は3円安とふるわなかった。
いすゞ自動車<7202>はドイツ証券がレーティングを引き上げ11円高で年初来高値更新。同じトラックメーカーの日野自動車<7205>も38円高と連れ高した。昨年発火事故を起こした三菱自動車<7211>のPHV車にリチウムイオン電池を供給したリチウムエナジージャパン(滋賀県栗東市)は67億円の損失を出し48億円の債務超過に陥っていたが、親会社のGSユアサ<6674>が三菱商事<8058>と共同で100億円の第三者割当増資を引き受け債務超過を解消させると報じられた。GSユアサは3円安、三菱商事は2円安、三菱自動車は3円高だった。
5月の国内パソコン出荷額は23.2%増と好調だったが、NEC<6701>は1円安、富士通<6702>は4円安、ソニー<6758>は7円安。東芝<6502>はGEのアルストム買収の条件が変わったためGEへの提案を見送って値動きなし。この件では幹部が20日にわざわざフランスまで行ってオランド大統領に説明した三菱重工<7011>、日立<6501>ともども、大山鳴動してネズミは一匹も出なかった。三菱重工は4円安、日立は1円高。かつてのオーディオの雄、パイオニア<6773>とオンキヨー<6628>が業務提携というニュースが後場、日経電子版で伝えられた。パイオニアがAV機器事業をオンキヨーに売却し、連合を組んで収益の改善を目指すという内容。パイオニアは9円高、オンキヨーは19円高で終えた。
セイコーエプソン<6724>は125円高で年初来高値更新。アジアで高級炊飯器が売れている象印マホービン<7965>は、11月期の純利益を94%増の31億円に上方修正して46円高で年初来高値を更新した。日本電気硝子<5214>もシティGがレーティングを引き上げ13円高で年初来高値更新。KDDI<9433>は、NTTドコモ<9437>、ソフトバンクが先行したスマホ通話定額制に追随すると報じられたが8円安。
前日の値上がり率1位のアーク<7873>は、オリックス<8591>によるTOB価格が発表されてアッと驚く55円。前日終値の約5分の1で、これが株ではなく普通の商品なら優越的な地位を濫用した不当値引きで独占禁止法、下請法に抵触しかねない。あまりにも安すぎるとアークは売買高6位と売り込まれてストップ安の80円安になり、一夜明ければ値下がり率1位。鬼のように値切ったオリックスは1円安で終えた。