【日経平均】シリアがイラクを空爆しリスクオフで109円安

2014年06月25日 20:16

 千代田化工建設<6366>はUBSがレーティングを引き下げ29円安。売買代金12位の三井物産<8031>は前場に年初来高値を更新したが後場下落して12円安で終わり続伸は10日でストップした。サマンサタバサ<7829>はストップ高の100円高で年初来高値更新。品揃え充実とテレビCMの効果で3~5月期の営業利益2.5倍で過去最高という業績観測を好感された。アップルのiPhoneは「おサイフケータイ」が使えないのがネックとされるが、それに似た決済サービスを開始すると報じられたアプリックスIPHD<3727>はストップ高比例配分の400円高。海外での公募増資で約60億円を調達する3Dマトリックス<7777>は希薄化懸念で3日ぶり反落の415円安だった。

 このところ好調の中・小型株もこの日は利益確定売りで新興市場も反落。日経ジャスダック平均は0.78%、東証マザーズ指数は2.22%、それぞれ下落した。日本通信<9424>は売買代金697億円でソフトバンク<9984>の594億円をしのぎ全市場トップ。格安スマホのMVNOが大手通信キャリアを上回る「下剋上」だが終値は3円安。ソフトバンクに次ぐ売買代金385億円のユーグレナ<2931>は2時にプラス圏から突然急落し、カラ売り規制が発動されて198円安。その時刻、前週から噂になっていたいすゞ自動車<7202>との提携話が正式に発表され、ミドリムシ由来の次世代バイオディーゼル燃料の共同研究契約を締結した。「噂で買って事実で売れ」という格言を地でゆく出来事だったが、株価の変動が派手なのが新興市場らしいところ。いすゞは10円安。ナノキャリア<4571>は177円安、サイバーダイン<7779>は700円安だったが、タカラバイオ<4974>は146円高で大幅続伸。京大発ベンチャーのiHeart社と技術移転契約を締結したと発表した。iPS細胞から作る心筋細胞の製造・販売を開始し、心疾患の新薬開発への利用が期待されている。

 この日の新規IPOは2件。農薬や肥料の研究、開発、製造、販売を行うOATアグリオ<4979>が東証2部に新規上場。4200円の公開価格に対し9時12分、3935円の初値がついて公開価格>初値の黒星で、一度も初値を上回れず終値は3925円。大塚HD<4578>グループの大塚化学から独立して、すでに資本関係はなく大塚HDは10円安。全く無関係なOA商社の大塚商会<4768>が330円高で年初来高値を更新。1対3の株式分割直前の権利付最終売買日だったためだが、「OAT」という社名から勘違いしていた大手メディアがあった。

 名古屋市が本社で工業用ベルト、ガラス研磨用部材など樹脂加工品の製造、販売を行うポバール興業<4247>が名証2部に新規上場。980円の公開価格に対し9時10分、1045円の初値がついた。こちらは公開価格<初値の白星。終値は1070円と順調。前日、東証マザーズに新規上場したフリークアウト<6094>は上場2日目の10時43分、2000円の公開価格に対し3.5倍の7000円の初値がつき人気過熱気味。終値は7030円だった。

 この日の主役はイベント通過の材料出尽くし感と国民の燃え尽き感で梅雨空と同様のどんよりした気分の中、103円高の大幅逆行高で売買代金14位、日経平均プラス寄与度1位と輝いていた日東電工。前日付「薬事日報」の記事を材料に3日続伸した。分子標的の薬剤送達技術(DDS)を用いて、細胞質内のRNAを特異的に分解しタンパク質合成を阻害する「siRNA医薬」の実用化に挑むという内容。siRNAは少量で著効を示すという特徴がある。線維症治療薬として肝硬変の適応症で開発を進めており、創業100年目の2018年の上市を目指すという。バイオの話は難しい。(編集担当:寺尾淳)