金融庁は23日、NISAの最新統計「NISA口座の利用状況等について」を発表した。それによると、2014年3月31日現在で、NISA総口座数は、650万3951口座となった。本年1月1日の制度導入時点の約475万口座から、3ヶ月で約175万口座、約37%の増加。また、NISAの総買付額は、1兆34億4608万円となった。このように、NISAの利用は増加の一途をたどっているが、20代の若年層がNISAになかなか踏み切れないなどの課題も見えてきた。
NISAの総買付額1兆34億4608万円のうち、商品別内訳は上場株式 3645億1357万円(36.3%)、投資信託が6212億822万円(61.9%)、ETFが91億417万円(0.9%)、REITが86億2012万円(0.9%)となった。
年代別の口座数を見ると、20歳代 が20万9144で同52.0%増、年代別での比率は3.2%。30歳代は50万1895で、同56.1%増、年代別での比率は7.7%。40歳代は82万3581で同47.3%増、年代別の比率は12.7%。50歳代は107万8784で同36.8%増、年代別での比率は16.6%。60歳代は187万4228で同26.6%増、年代別の比率は28.8%。そして、70歳代は149万993で同22.7%増、年代別の比率は22.9%だった。60歳代以上の割合は、59.8%。制度導入時点の60歳以上の割合の63.4%より3.6%低下し、50歳代以下の現役層の割合が増加した。
FP・証券営業員等に対するNISA利用者の意識等に関するアンケート調査で、若年層の利用拡大については、これまでの投資一般と比較してNISAへの関心が高いと回答があったのは約3割だった。また、男女によって差はないものの高齢者層及び投資経験者の方がより積極的にNISAを活用しているという回答が半数超だった。若年層がNISA口座開設に踏み切れない理由は、資金的余裕がないことが65.1%と最も高く、 次いでNISAや投資への理解・認知度不足、投資へのネガティブなイメージが33.6%だった。
これに対し、若年層への利用拡大策としては、投資教育・政府広報の充実、投資について相談・手続きのしやすい環境整備等により投資を始めるハードルを下げる、高齢者層から若年層への資産移転の促進との回答が34.5%だった。(編集担当:慶尾六郎)