設備投資関連のTHK<6481>はドイツ証券が新規に「バイ」のレーティングをつけて38円高。燃料電池車・水素ステーション関連の三菱化工機<6331>は朝から買いを集めて24円高と急反発し値上がり率4位、売買高3位、売買代金7位に入った。三菱商事<8058>と日本郵船<9101>が、フランスのGDFスエズ社と提携してエコ船舶(エコシップ)へのLNG燃料供給事業を始めると報じられ、三菱商事は14円安、日本郵船は6円高だった。
キョーリン製薬HD<4569>は独立行政法人科学技術振興機構から「悪性胸膜中皮腫を対象とする遺伝子治療医薬品」のプログラムを採択されて55円高。キユーピー<2809>は12~5月期の中間決算を発表。鶏卵、食用油の価格上昇で5月中間期決算は増収だが純利益は4%の減益。それでも想定の範囲内なのか51円高で年初来高値更新。キリンHD<2503>はビール類の国内販売が不振で、1~6月期の営業利益は2割近いマイナスだったが17円高。真夏にエルニーニョが来なくても巻き返せるかどうか。
前日に6月の百貨店売上高が発表され、高島屋<8233>やJフロントリテイリング<3086>は5月よりも減収幅が縮小。それでも高島屋は4円安、Jフロントは値動きなしだった。小倉の井筒屋<8260>とともに一部の個人投資家に偏愛される名古屋の丸栄<8245>は、駆け込み需要の反動減で売上が伸び悩み3~5月期は最終赤字に転落して4円安。ドラッグストアのスギHD<7649>は3~5月期の純利益が16%減と発表したが35円高。ホームセンターのケーヨー<8168>は3~5月期の営業利益が81%増で5円高で年初来高値更新。消費増税後は客数減でも園芸用品が好調だったという。通期見通しは据え置いた。
ソフトウェア開発のジャステック<9717>は売上高が計画を上回って推移し、11月期の通期営業利益見通しを上方修正して34円高。ゲーム・コンテンツ関連ではKlab<3656>が上昇して64円高で年初来高値を更新し値上がり率16位、売買代金14位だった。
新興市場は日経ジャスダック平均0.39%上昇、東証マザーズ指数0.26%上昇。東大医科研発バイオベンチャーのテラ<2191>は、九州大学と共同出願したNK細胞に関する2つの特許が成立したと発表して238円高。同じくバイオベンチャーのジーエヌアイ<2160>は、世界特許を保有する肝線維症治療薬「F351」の第2相臨床試験の開始許可を中国で取得したと発表し3円高。中国はウイルス性肝炎、アルコール性肝疾患の患者が多く年間約1800万人の大市場という。MVNO関連の日本通信<9424>は58円高、ワイヤレスゲート<9419>は135円高で、ともに年初来高値を更新した。
新規IPOが1件。VOYAGE GROUP(ボヤージュ・グループ)<3688>が東証マザーズに新規上場した。ポイントサイト「ECナビ」などのメディア事業、インターネット広告関連事業などを手がける。公開価格2400円に対して10時16分に40%高い3360円の初値がつき、終値は3285円。上々の「船出」になり、ネット・コンテンツ関連銘柄はやはり強い。今週の新規IPOはこの1銘柄のみ。
この日の主役は外国人保有比率47.91%で海外投資家に人気がある良品計画<7453>。3~5月期決算を発表し営業利益は66億円で過去最高を更新して事前の業績観測報道を上回り、520円高で年初来高値を更新した。好業績の大きなポイントが販売政策で、消費増税前にこぞって外税方式に切り替える小売企業が多かった中でも税込み総額の内税方式を続け、多くの商品が据え置きで実質的に値下げ。それが消費者に「割安」「わかりやすい」イメージを与えて増税後も客足があまり落ちず、国内の直営既存店売上高は4月こそ2%減だったが5月は2%増と回復し、3~5月トータルでは8%の増収だった。「無印良品(MUJI)」の店の隠れたヒット商品は雑貨や衣類とともについで買いされる食品で、レトルトのカレーが人気だという。(編集担当:寺尾淳)