中山製鋼所<5408>の森田俊一社長が「3~5月期の業績は目標達成」「電炉業界の再編は不可避」「年内に相手を見つける」とコメントし再編期待で4円高。その場合「再編プレミアム」の上乗せが期待される相手候補の大阪製鐵<5449>は9円高、合同製鐵<5410>は1円高、共英製鋼<5440>は46円高。どれも最低購入金額は16~18万円台なので全部買っておく手もあり? 日本精線<5659>は自動車、建材用に強度や耐熱性が従来よりも1割高いバネ材を開発して22円高で年初来高値を更新していた。
値上がり率1位は前日も1位のソフトブレーン<4779>で、50円高で年初来高値を更新し売買高9位に入った。3位は「教室数5倍」計画の東京個別指導学院<4745>で62円高で年初来高値更新。しかし前日は値上がり率3位のイオンファンタジー<4343>は47円安でこの日は値下がり率6位。前日は買われた原発関連の木村化工機<6378>も5円安。それと銘柄名を取り違えやすい水素ステーション関連の三菱化工機<6331>は、その日限りの大幅上昇が少なくない中で前週からずっと主役級の活躍で、この日もストップ高の80円高で値上がり率2位、売買高3位、売買代金4位とランキングをジャックした。同じテーマの岩谷産業<8088>も売買高8位、売買代金6位と買われ32円高、オーバル<7727>も41円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。なお、文化シヤッター<5930>は序盤プラスだったが終値38円安で、年初来高値を更新しながら値下がり率1位になる珍記録をつくった。
サッポロHD<2501>は「極ZERO」の酒税区分の問題で、追加納税して特別損失を処理しながら7円配当は維持する方針を打ち出し1円高。生産能力を5割増強し「第3のビール」ではなく値段の高い発泡酒として15日に再発売する。流通のユニーGHD<8270>はコンビニが不振で3~5月の純利益が6.8億円にとどまり2円安。イズミ<8273>も4月以降の反動減対策で価格対応を強化したため3~5月期の業績は増収減益になり40円安。店舗ディスプレイの乃村工藝社<9716>は3月に駆け込みの改装工事が多かったため3~5月期の営業利益が19%増で21円高だった。
バンダイナムコHD<7832>は、バンダイが「妖怪ウォッチ」のキャラクターメダルの累計販売枚数が年内に1億枚を突破する見通しを発表したが2円安。その関連会社で妖怪ウォッチで稼ぐハピネット<7552>は166円高で年初来高値を更新し値上がり率7位、売買代金15位に入った。LINEの森川亮社長が講演をするのにからみLINE関連が注目され、アドウェイズ<2489>は29円高、エイチーム<3662>は80円高、サイバーエージェント<4751>は25円高になった。
この日、JAL<9201>とANAHD<9202>が国内線運賃を6年ぶりに値上げしJALは110円高で年初来高値を更新。ANAHDは値動きなし。インフラ運営権の民間売却第1号の仙台空港の運営権獲得に名乗りをあげた前田建設工業<1824>は5円高、楽天<4755>は21円高、三菱商事は15円高で年初来高値を更新していた。第一生命<8750>は前日、アメリカのプロテクティブ社の買収資金の調達目的で総額2759億円の大型公募増資を発表。公募増資1億8949万株で希薄化率が19.7%と大きく23円安だった。
新興市場は日経ジャスダック平均は0.36 %上昇した一方で東証マザーズ指数は0.13%下落した。VOYAGE<3688>は350円高で上場以来3日連騰。最初は気取っていて違和感があったボヤージュというフランス語読みの銘柄名も、だんだん慣れてきた。
この日の主役はセブン&アイHD。前日3~5月期決算を発表し、営業利益が5.1%増の774.78億円。会社予想も767.5億円の市場予測も上回って第1四半期では過去最高で89円高。通期見通しは据え置き。「セブンイレブン」のコンビニ事業の営業利益は11.4%増だった。消費増税後も税込価格100円を維持した「セブンカフェ」は依然好調で2台目設置店舗を増強中。PB商品「セブンプレミアム」の新商品開発、品揃え強化も功を奏した。セブンイレブンが3月のJR西日本<9021>に続きJR四国とも業務提携して「駅ナカ」に約40店舗を出店するというニュースもあり。傘下のそごう・西武は、台湾と香港を手はじめにアジアの百貨店へPB「リミテッドエディション」の衣料や雑貨の卸売りを始める。セブン&アイはPBで最も成功した流通グループで、それを武器に反動減も軽々と乗り越えようとしている。(編集担当:寺尾淳)