女性が運営する便利屋サポートワンのレンタル友達ビジネスが今注目されている。2013年12月の日経ビジネスで「2014年これが売れる 確実に来る6大トレンド」という特集が組まれ、その中でも取り上げられたほどだ。サポートワンに所属するスタッフは若者から年配の男女と幅広い年齢層で、利用者のニーズに応えるべくそれぞれに資格を公開している。弁護士、税理士、心理カウンセラー、理学療法士、美術教員免許、簿記一級、華道師範、整理収納アドバイザーなど、多岐に渡って専門的なサポートができることをアピール。依頼内容は子育てサポートや家庭教師、マナー講習、出張シェフ、起業サポートなど多種多様だ。
中でも目を引くのがレンタル家族、レンタル友達、レンタル恋人という、人間関係をサポートする仕事だ。毎月20~25人ほどの依頼があり、客層は30~50代の男女が主になる。一人ではちょっと寂しいと思うとき、買い物や食事に気軽に同行してもらえる相手を求めての依頼というケースが多いという。利用者側の要望に沿う形でスタッフが対応してくれるため、細やかな要求・相談にも的確に対処することができる。地元から遠く隔たった環境の中で子育てに悩む20代の女性客には、「お母さん」のような雰囲気の子育て経験者を派遣。育児に関するサポートはもちろん、心の面でも利用者の支えとなっているようだ。また、レンタル家族を利用した30代男性は、結婚相手とその両親との顔合わせの際、絶縁状態にある実の両親の代わりに父親役と母親役のスタッフを依頼。事前に男性側から指定した家族設定をスタッフが覚えて対応し、顔合わせを無事終えることができたという。
しかし一方で、否定的な見方もある。13年12月にマクロミルが14年度の新成人500人を対象にインターネットで実施したアンケートによると、「友達付き合いが面倒くさいと感じることがある」という人が70.6%、「友達を作ることが苦手だ」という人は66.6%にも上っている。若者を中心に、対人関係を苦手とする人が増えている傾向があることを問題視し、レンタルで手軽に人間関係を処理することに疑問の声も。それについて、サポートワン代表の古川氏は、レンタル友達などの利用者が一概に孤独というわけではないと反論し、「便利で合理的な存在」として、活用次第で生活をより豊かにすることができることを強調している。確かに大切なのは、その活用法だろう。(編集担当:久保田雄城)