【日経平均】値頃感で後場一時15300円台に上昇し132円高

2014年07月14日 20:21

 ロボット関連でもあるハーモニックドライブ<6324>が4~6月期受注高を発表し、前年同期比34.7%増で四半期では過去最高で60円高。前週から人気の消防用ホースの芦森工業<3526>はこの日も51円高で3日続伸し値上がり率4位、売買高1位、売買代金2位だった。電線関連も相変わらずランキングをジャック。沖電線<5815>はストップ高の80円高で値上がり率2位、売買高7位、売買代金13位。昭和電線HD<5805>は9円高で値上がり率19位、売買高3位。東京特殊電線<5807>は17円高で値上がり率13位、売買高4位、売買代金16位。

 夏のボーナスが全産業で8.48%増えるという記事が出た。製造業は10.94%の伸びで17業種全て増加。中でも27%で最も伸びが大きい鉄鋼大手は、新日鐵住金<5401>3円高、神戸製鋼<5406>1円高、JFEHD<5411>16円高。もともと低く抑えられすぎていたとも言える。

 前3月期に1600億円の持ち合い解消を果たしたという記事があった三菱商事<8058>は44円高。流通のライフコーポレーション<8194>は2015年2月期通期営業利益見通しを2億円上方修正し28円高。消費増税後の反動減は想定より軽いという。埼玉県の食品スーパーのヤオコー<8279>は、みずほ証券が目標株価を引き上げ140円高で年初来高値更新。同業態のマルエツ<8178>も三菱UFJ証券がレーティングを引き上げ14円高で年初来高値を更新した。

 ガリバー<7599>は、3~5月期連結純利益が25.8%減だが大和証券がレーティング「2」を継続して安心感がひろがり103円高で値上がり率7位。クリエイトレストランHD<3387>は1株を3株にする株式分割を発表し一時ストップ高の381円高で年初来高値を更新し値上がり率8位だった。英国風パブ「HUB」のハブ<3030>は3~5月期2ケタ減益で95円安。ワールドカップ関連銘柄にも挙げられていたが、イングランドも日本もグループリーグで早々と敗退したので6~8月期も望み薄か? トリドール<3397>は5円安で年初来安値を更新した。

 レジャー関連は今週末からの夏休みを前に東のオリエンタルランド<4661>が290円高で11日続伸し上場来高値を更新。その大株主の京成電鉄<9009>も13円高で年初来高値を更新し3日続伸した。西のUSJの再上場で、大阪駅からアクセスするJR西日本<9021>は37円高。関西空港アクセスの南海電鉄<9044>は7円高でどちらも年初来高値を更新した。鴻池運輸<9025>は東南アジアの成長センター、メコン諸国で冷凍、冷蔵輸送を強化と報じられ55円高だった。

 BS11<9414>は1株を2株にする株式分割を発表し118円高で上場来高値更新。東宝<9602>が11日発表した3~5月期決算は純利益91%増で過去最高益を更新し97円高で年初来高値更新。製作した「テルマエ・ロマエ2」「名探偵コナン」がヒットし、映画館の収入も「アナ雪効果」で好調。それでもエンタメの宿命、当たり外れがあるので2015年2月期の通期業績見通しは据え置いた。

 ゲーム・コンテンツ関連ではコロプラ<3668>はRPG「白猫プロジェクト」のリリースに期待する先回り買いで163円高。好業績の招き猫になるか。「バイトルドットコム」のディップ<2379>は人手不足を反映し3~5月期単体決算の営業利益が8.2倍で8月中間期の計画を上回り一時ストップ高の695円高で年初来高値を更新し値上がり率6位。LINE関連のネオス<3627>は3~5月期の営業赤字決算が嫌気され54円安で値下がり率5位だった。

 新興市場は日経ジャスダック平均0.23%上昇、東証マザーズ指数1.64%上昇。直近IPO銘柄の鳥貴族<3193>は上場3日目の後場でストップがかかり490円安。オンラインゲーム「鬼斬」の海外展開で買われたサイバーステップ<3810>は、5月期の営業利益が67.4%の大幅減益でストップ安比例配分の500円安。渡る市場は鬼ばかり。

 この日の主役はソフトバンク。子会社スプリントによるTモバイルUSの買収でその親会社のドイツテレコムと大筋合意し、詰めの協議に入ったと伝わった。買収に国内外の8金融機関が4兆円規模の資金融資枠を設けるという。条件面の最終調整が残るが、スプリントと統合すると合衆国内の契約数は1億件で人口の約3分の1を占める。それだけにFCC(連邦通信委員会)や、反トラスト法(独占禁止法)をめぐる司法省の出方が気になる。11日のNY市場はTモバイルUSは1.89%上昇、スプリントは3.64%上昇、ソフトバンクのADR(米国預託証券)は日本円換算で36円高と揃って上昇。東京市場のソフトバンク株も169円高で3日ぶりに反発し停滞感を払拭し、売買代金1位に返り咲いた。(編集担当:寺尾淳)