青森市にある「デザインワースSTmind」が発売した「おやさいクレヨン vegetabo(ベジタボー)」は廃棄処分される野菜から作られている。5月に発売された第2弾は、100%青森県産の野菜を使用。絵を描くと、優しい自然な色味が出て、ほんのりと野菜のかおりが漂う。
青森市にある「デザインワースSTmind」が、野菜を原料にしたクレヨンを今年3月下旬に発売した。「おやさいクレヨン vegetabo(ベジタボー)」は、10色入りで税抜き2,000円。廃棄される青森県産品野菜を使って色素を抽出し、食べても安全なものだけを原料に用いている。野菜本来の自然な発色が特徴で、優しい色味が好評を得ている。ベジタボーは、販売開始後すぐに完売。この反響を受けて、5月には第2弾が発売された。
青森県の食料自給率は115%で、野菜の生産が盛んだ。しかし、出荷の段階で形の悪さや傷があるということで規格から外れてしまう野菜も多く、それらは最終的に廃棄されてしまう。また、加工の際に皮なども捨てられており、これらの廃棄される野菜を利用してクレヨンを作っている。3月に発売された第1弾の製品は、ほうれんそう、きゃべつ、ねぎ、かぼちゃ、とうもろこし、ながいも、とうがらし、やまぶどう、くり、たけすみの全10色。白色のナガイモは、とろろに加工される際に出る皮を使っている。また黄緑色のネギも不要とみなされた葉の部分で、キャベツは出荷前に落とされる外側の葉を利用している。このうち、黄色のトウモロコシと、赤色のトウガラシについては、時期的に青森県で入手することができなかったため、県外産野菜を使っていた。しかし第2弾では、100%県内産の野菜で製作している。クレヨンを使って絵を描くと、野菜のにおいがほんのり漂うという。
製造は名古屋市にある文具メーカーだ。手動による成型で、クレヨンを作っている。精米時に生じる米ぬかから取れた「ライスワックス」と米油に、野菜の粉末を混ぜる。色あせを防ぐために顔料を加えているが、加工食品にも利用されている無機顔料を使っているので、万が一幼児がクレヨンを口に入れても安全だ。製作者は、「親子で一緒にクレヨンを使いながら、青森の農業や野菜に興味を持ってもらえればうれしい」と話している。(編集担当:久保田雄城)