【今週の振返り】朝にマドを空けても終値は51円上昇した週

2014年07月19日 20:11

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アメリカ株の史上最高値の翌日は、思いもよらぬ地政学的リスク勃発。それでもドル円は101円台からはみ出さず。

 前週末11日のNYダウは28ドル高、NASDAQ総合指数は19ポイント上昇。ポルトガルの金融不安はほぼ沈静化したが、4~6月期決算の本格化を前に週末の手控えムードで上値は抑えられた。14日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が137円台後半で円高傾向が続いていた。

 日経平均は35.14円高の15199.18円と反発して始まる。序盤はプラスながら15200円台に乗せたり下げたりするが値幅は約50円。円高、イエレンFRB議長の議会証言、アメリカ金融大手の決算発表などを待つ様子見もあり、11日終値時点で15217円だった25日移動平均線付近であっさり抵抗を受けて上値を追えない。それでも午前10時台には徐々に振幅が収れんされ、15200円前後に落ち着く。10時30分に週明けの上海、香港市場が上昇で始まると日経平均も値を切り上げ、11時前には15220円にタッチするが25日線を完全に突破できず、前引けは15221円だった。

 後場は前引けとほぼ同じ水準で始まり、しばらく15220円前後の値動きが続いたが、午後1時を回るとテイクオフ。25日線、11日時点の5日移動平均の15275円をゴボウ抜きして15280円台に乗せ、一服後にさらに上昇して15300円を超えた。日経平均の勢いは衰えず、2時を回ると15320円にもタッチ。その間、為替はわずかに円安方向に振れただけだった。日経平均は「値頃感」と日銀会合への思惑などで、債券売りとセットのリスクオンにより先物主導で上昇した。2時8分の15324円をピークに折り返してその後は15300円前後で小動きし、終値は132.78円高の15296.82円で6日ぶりに反発。日中値幅は145円。TOPIXも+10.27の1265.46で大幅高。売買高は19億株、売買代金は1兆5457億円と薄商いの傾向が続いている。

 業種別騰落率はプラス27業種、マイナス6業種。上昇セクター上位は情報・通信、電気・ガス、ゴム製品、精密機器、ガラス・土石、卸売など。下落セクターは海運、その他金融、パルプ・紙、不動産、鉱業、食料品だった。

 週明け14日のNYダウは111ドル高で終値で17000ドル台を回復。取引時間中の史上最高値を更新した。NASDAQは24ポイント上昇。金融株が上昇しモメンタム銘柄も堅調。「マージャー・マンデー」で医薬品やエンジニアリング業界のM&Aが相次ぎマーケットに刺激を与えた。15日朝方の為替レートはドル円101円台半ば、ユーロ円138円台前半で前日より円安方向に振れていた。

 日経平均は57.61円高の15354.43円で始まる。TOPIXも1270台に乗せてスタート。午前9時8分には15400円にタッチ。9時30分を回るとドル円の円安進行を受けて一段高になり、9時39分に15441円まで上昇。4日の終値15437円を上回り、一時的に前週の5連敗の下落分を全て取り戻す。その後は15420~15440円の狭いレンジで推移。上海も香港もプラスで始まってアジア株は全般的に堅調。しかし日経平均は11時前から下落し、15400円を割り込みそうになったが、前引けは15416円だった。

 正午すぎに日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、金融政策は現状維持。ETFやJ-REITの買入枠増額はなし。展望レポートの中間評価では2015年度の消費者物価指数(CPI)見通しは1.9%を維持したが、2014年度の実質経済成長率見通しは4月から0.1ポイント引き下げて1.0%とした。それに反応したのか後場は再開直後15400円を大きく割り込むが、徐々に値を戻して午後1時頃には15400円台を回復。1時台の日経平均は100円高、15400円前後で小動き。2時台はやや振幅をひろげながら大引けで終値は98.34円高の15395.16円で続伸した。日中値幅は95円。TOPIXは+8.22の1273.68。売買高は20億株、売買代金は1兆7419億円だった。