南海トラフ巨大地震でさらなる地震保険料値上りか?

2014年07月22日 11:12

画像・南海トラフ巨大地震でさらなる地震保険料値上げか

7月1日より地震保険料の値上げが実行され、全国平均で15.5%保険料の負担が増すことになった。今回の地震保険料の値上げは1996年以来となるが、南海トラフ巨大地震を想定した場合にはさらなる値上げが行われるだろう。

 7月1日より地震保険料の値上げが実行され、全国平均で15.5%保険料の負担が増すことになった。その前日に新たに日本損害保険協会の会長となったのが、損保ジャパンの桜田謙悟社長だ。インタビューに応じた桜田氏は地震保険をはじめとする保険料の値上げに言及。今回の地震保険料の値上げは1996年以来となるが、今後も値上げが行われる可能性を示唆した。

 東日本大震災以降、地震に対する備えについて人々の関心は高まっている。日本の地震保険制度が設立されたのは66年。94年になっても世帯加入率はわずか9%に過ぎなかったが、2003年の宮城県沖地震、04年の新潟県中越地震を経て05年以降は20%台で上昇し続けている。11年の東日本大震災を経て加入率は12年度で27.1%にまで上がった。

 地震保険の加入率は増加しているものの、近年多く見られる異常気象の増加により、保険会社の負担は大きくなっているようだ。桜田氏は大型の地震や豪雪、大雨などによる自然災害の増加を指摘しながら、経済的損失の全てを保険会社が担うことはでないと述べた。特に南海トラフ地震を想定した場合には、保険料のさらなる増大は避けられないという見解を示した。

 南海トラフ巨大地震は千年に1度の確立で起こると言われている地震だが、いつ起きるか分からないものであり、政府内でも緊急性を感じながら地震対策を立てている。トラフとは溝を意味する。静岡県の駿河湾から九州東方沖の太平洋の海底には、深さ4,000メートル級の巨大なトラフが存在しており、さらに2つの岩板プレートの境界上にあるため、巨大地震が起こりやすい状態だ。すでに何度もマグニチュード7~8級の地震が繰り返し起きているのが確認されている。13年に国が行った有識者会議では南海トラフでマグニチュード9.1の地震が起きた場合、220兆3,000億円の経済被害が出ると予想を立て防災対策の必要性を強調した。明日起きるかもしれない巨大地震に、政府も保険会社も緊張感を高めているようだ。(編集担当:久保田雄城)