【日経平均】前週末の下落分を一時全値戻しして127円高

2014年07月22日 20:16

 通信大手はNTT<9432>が147円高で年初来高値を更新し売買代金11位、NTTドコモ<9437>が13.5円高で年初来高値更新、KDDI<9433>が64円高と堅調。アメリカのモメンタム銘柄、動画配信のネットフリックスの決算内容が良く時間外取引で上昇したのが効いてソフトバンク<9984>は42円高。電力はふるわず、関西電力<9503>は25.4円安で値下がり率12位、北海道電力<9509>は22円安で同13位だった。

 鉄鋼は業種別騰落率トップ。刺激になったのが東京製鉄<5423>が18日大引け後に発表した決算で、4~9月期の業績が計画を上回る見通しで通期営業利益見通しを15億円上方修正し62円高で値上がり率8位。同業の電炉メーカーは合同製鐵<5410>が10円高で値上がり率15位、大阪製鐵<5449>が103円高。高炉大手も新日鐵住金<5401>9.1円高、神戸製鋼<5406>3円高、JFEHD<5411>51円高と好調。製鉄業と密接な関係がある品川リフラクトリーズ<5351>は30円高で年初来高値を更新し値上がり率7位、黒崎播磨<5352>は14円高だった。

 鉄鋼と並び元気だったのが業種別騰落率4位の建設セクターで、環境基準をクリアしてリニア中央新幹線の今秋着工がほぼ確実になったの好材料。11円高で年初来高値を更新し売買高、売買代金「2冠王」の鉄建<1815>の商いの勢いは止まらず、22円高で値上がり率3位の淺沼組<1852>、18円高で同9位、売買高11位の飛島建設<1805>、11円高で同10位の佐田建設<1826>、25円高で年初来高値更新の戸田建設<1860>、3円高で売買高3位、売買代金9位の熊谷組<1861>、6円高で売買高4位の三井住友建設<1821>のような低位建設株だけでなく、大手ゼネコンも大成建設<1801>19円高、大林組<1802>27円高、清水建設<1803>35円高、鹿島<1812>9円高で、4銘柄とも年初来高値を更新していた。

 カゴメ<2811>は6月中間期、12月通期の見通しを下方修正て68円安で値下がり率5位。三菱商事<8058>は18日に2946万株の自社株消却を発表し12.5円高。住友商事<8053>はサウジアラビアで現地大手と合弁で建材の販売に進出するというニュースがあり6.5円高。日本マクドナルドHD<2702>は乱高下の末、終値10円安。「マックチキンナゲット」の販売を21日から停止したが、中国産鶏肉を使っているため「鳥インフルエンザ発生か?」と噂が飛び交った。中国発の報道によると鶏肉を加工する企業が保存期限切れの肉を出荷したための措置とわかり、一件落着。

 ゲーム・コンテンツ関連ではオルトプラス<3672>がバンダイナムコHD<7832>と共同で人気ゲーム「THE iDOLM@STER (アイドルマスター)SideM」の開発と運営を開始すると報じられストップ高の300円高で値上がり率1位。バンダイナムコHDは52円高。Klab<3656>は一時ストップ高の269円高で年初来高値を更新し値上がり率2位、売買代金6位、コロプラ<3668>も一時ストップ高の427円高で値上がり率5位、売買代金4位に入った。任天堂<7974>も久々の大幅上昇で430円高だったが、enish<3667>は12月期の業績見通しを下方修正し201円安で年初来安値更新。カラ売り規制まで発動して値下がり率1位になった。DeNA<2432>も28円安と売られた。新興市場は日経ジャスダック平均が0.69%、東証マザーズ指数が1.62%それぞれ上昇し堅調。

 この日の主役は「銭(せん)」。硬貨は発行されず、バーチャルな存在の通貨単位がこの日から東証の個別株の株価ボードに出現した。時価総額が大きい大型株で構成されるTOPIX100の100銘柄で株価が5000円以下の場合だけ1円未満の最小10銭の単位がついた。3連休中にシステム改修を済ませ、システムトラブルも売買の混乱もなく初日を終えた。東証の狙いは値動きを細かくし投資家が売買のタイミングを図りやすくすること。その狙いが的中したのが、みずほや新日鐵住金や丸紅<8002>のように、18日までは1日の値動きが数円程度でローソク足が1円、2円単位の往復を繰り返しまるで「バーコード」のようだった銘柄。10銭(0.1円)刻みになるとローソク足はバーコードではなく日経平均のようなパターンに変わり、板情報を見てトレードするデイトレはやりやすいはず。それを裏付けるように売買高は急増し、18日に比べみずほは4.4倍、新日鐵住金は2.1倍、丸紅は1.9倍だった。逆に値がよく動く銘柄が10銭単位に変わると、「板の枚数が足りない」とデイトレがやりにくくなっただろう。

 (該当する個別株の株価表示の1円以下は日経平均同様に小数点で表示し、原則として「銭」の単位は使いません。たとえば「9円80銭高」ではなく「9.8円高」と表示します)(編集担当:寺尾淳)