海外の経済指標は7月30日のアメリカの4~6月のGDP発表がまず重要。大寒波の影響でマイナスだった1~3月からどれだけ回復したか確認したい。8月1日の雇用統計、ISM製造業景気指数ももちろん重要。
7月28日はアメリカの7月のマークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値、6月の仮契約住宅販売指数、7月のダラス連銀製造業活動指数、29日はアメリカの5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、7月のCB消費者信頼感指数、30日はフランスの7月の消費者信頼感指数、ユーロ圏の7月の消費者信頼感指数確報値、ドイツの7月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの7月のADP雇用統計、4~6月期の国内総生産(GDP)、31日はドイツの7月の失業率、ユーロ圏の7月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの7月のシカゴ購買部協会景気指数、8月1日は中国の7月の物流購入連合会の製造業購買担当者景気指数(PMI)、HSBCの製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の7月製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、アメリカの7月の雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、6月の個人所得・個人支出、7月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ミシガン大学消費者信頼感指数改定値、ISM製造業景気指数、自動車販売台数、6月の建設支出が、それぞれ発表される。
7月28日は大相撲の大砂嵐関のおかげで日本でも知られるようになったイスラム教の「ラマダン(断食月)」が明ける日。28日は第一次世界大戦の開戦から100年。サラエボ事件から宣戦布告まで1ヵ月の猶予があった。昔も今も戦争を回避して地政学的リスクを低下させるのは政治家の責任。29~30日にアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。今回はイエレンFRB議長の記者会見はない。QE3(量的緩和第3弾)の終結時期が10月で確定しそう。次の利上げの時期と規模についてのメンバーのコメントは、微妙なニュアンスも針小棒大に伝えられてマーケットが動揺しそうなので要警戒。
アメリカ主要企業の決算は4~6月期決算の発表が7月末で終了する。7月29日はUPS、コーニング、メルク、ファイザー、マリオット、アメリカン・エキスプレス、ニューモント・マイニング、ツイッター、30日はスプリント、31日はマスターカード、ケロッグ、テスラ・モーターズ、エクソンモービル、8月1日はP&G、シェブロンが発表する予定になっている。
25日の東京市場は173円高の高値引け。午後2時頃まではこのごろ見慣れた風景の「後場小動き」だったのに、終盤に80数円上昇しただけで「流れが変わる兆候だ」「いや、ただのショートカバーにすぎない」など、業界スズメがピーチク、パーチク騒ぎ出した。しかし当日の売買代金は1兆7000億円少々にすぎず、2兆円台から17日間も遠ざかっている。この薄商い病を治さない限り、ドル円101円台から動かない為替レートに上値が抑えられる一方で、年金資金、「日銀砲」、市場参加者の「週替わりヒーロー」などに支えられて下値が限定され、結果ボックス圏という大きな流れは変わらないだろう。
週替わりヒーロー状態は、東証の「投資部門別株式売買状況(二市場一・二部等)」を見ればなお健在。7月14~18日の週は前週のヒーローの個人が1781億円の買い越しから1161億円の売り越しに転じ、年金資金がバックにある信託銀行も342億円の買い越しから276億円の売り越しに転じたが、563億円の売り越しから868億円の買い越しに転じた外国人が週間ヒーローになっていた。東証によるとこの週のプログラム売買の裁定買い残は2週連続で減少し、18日時点の信用買い残(二市場/制度・一般合計)も2週ぶりに減少するなど需給も改善傾向で、そんな状況が東京市場の堅い下支えになっている。
日経平均終値が15000~15500円の間で行ったり来たりする流れは、6月13日のメジャーSQからもう1ヵ月半近く続いている。だから「売買のエネルギーが補給されない限り15500円突破はない」はもはや、市場関係者のコンセンサス。今週たけなわの主力銘柄の決算発表がそのエネルギーを呼び込むとは考えにくい。ましてやアメリカではFOMC、GDP、雇用統計発表と重要イベントが続くから、「様子見するばかりで薄商い、小動きの東京市場」が延々と続く可能性も大きい。
さて、6月以来の流れの中で、過去6週間の値動きにはある「法則」がみられる。それは「毎週必ずザラ場中15400円台まで上昇している」ことと、「金曜日が安いと翌週は木曜日か金曜日に週の最高値をつけて上昇する週になるが、金曜日が高いと翌週は月曜日に週の最高値をつけた後、下落する週になる」というものである。