【今週の展望】前週金曜日が高いと尻すぼみの週になる法則

2014年07月27日 20:14

 6月13日の金曜日の安値は14830円と安く、翌週は20日の金曜日に15422円の高値ピークをつけ前週末比251円高の週。6月20日の金曜日の安値は15305円と高く、翌週は6月23日の月曜日に15422円の高値ピークをつけ前週末比254円安の週。6月27日の金曜日の安値は15027円と安く、翌週は7月4日の金曜日に15490円の高値ピークをつけ前週末比342円高の週。7月4日の金曜日の安値は15420円と高く、翌週は7月7日の月曜日に15477円の高値ピークをつけ前週末比273円安の週。7月11日の金曜日の安値は15101円と安く、翌週は7月17日の木曜日に15465円の高値ピークをつけ前週末比51円高の週。7月18日の金曜日の安値は15110円と安く、翌週は7月25日の金曜日に15457円の高値ピークをつけ前週末比242円高の週。このように6週間続けて「法則」から一度も外れていない。

 この法則通りにいけば、高値引けの25日は安値も15341円と高かったので、今週のシナリオは28日の月曜日に15400円台の高値で週のピークをつけた後、日経平均は尻すぼみになって8月1日の終値は、25日終値の15457円より250円以上も安い15200円前後にとどまる。「六度あることは七度ある」と断定はできないが、テクニカル指標を見ればそうなる確率はけっこう高そうだ。

 25日時点の日経平均終値15457円のテクニカルポジションは高く、5日移動平均の15325円より132円も上にある。25日移動平均は15314円、200日移動平均は14895円、75日移動平均は14798円で日足一目均衡表の「雲」は14630~14886円。25日移動平均との乖離率は0.9%で、騰落レシオは18日の101.8と大差ない101.6なので「テクニカル指標的に上値余地はある」と思われるかもしれないが、アメリカの長期金利が上昇を始めて102円台半ばまで円安になるとか、政府要人の口から思い切った減税策が飛び出すなど、よほどのことがなければ15485円のボリンジャーバンド25日線+2σ(第2標準偏差)は抜けられないだろう。その前後が今週のレジスタンスラインになりそうで、15500円突破はやはり厳しそうだ。

 一方、下値のほうでは15200円を割り込んで15100円台まで下落する可能性を示唆する過去のデータがある。それは7月末あたりは近年、日経平均株価が低迷すること。2013年は前後が終値14000円台だったのに7月29~31日の3日間だけ13000円台に凹んでいる。2012年は7月25日にその年の最安値8238円に近い8328円まで下げて低迷。2011年は7月28日に10000円の大台を滑り落ちて29日には9824円まで下げ、2010年も7月は下旬になってからずっと軟調だった。

 理由はよくわからないが、機関投資家で担当者が交代で夏休みをとる前のポジション整理なのだろうか? それとも日本では4~6月期(第1四半期)の決算発表では通期見通しの上方修正に対し保守的になる傾向があるからだろうか? とにかく7月末は株価が下押しされやすいことは頭に入れておく必要がある。そうするとボリンジャーバンドの25日線-2σ(第2標準偏差)の15142円あたりが今週の下値のサポートラインと考えておいたほうがいいかもしれない。統計学の理論では、ボリンジャーバンドの-2σと+2σの間におさまる確率は95%ある。

 ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは15100~15500円とみる。「インフレが来る」「持たざるリスク」などと脅して株式投資を意図的にあおるような証券会社のレポートが出ているが、インフレだろうとデフレだろうと、株を持っていなくても人は生きていける。人は、貯金では絶対かなわない夢が見られるから、株を買う。脅すのではなく、証券界がジャパニーズドリームを積極的に語れば、売買は自然に増えていくはずだ。(編集担当:寺尾淳)