チキン問題でゆれるマクドナルド 中国依存からの脱却が先決ではないか

2014年07月31日 12:24

1205_30

中国の食肉加工会社「上海福喜食品」が使用期限切れの鶏肉を使っていた問題で、日本マクドナルドは29日、対応策を決定、準備が整ったものから実施していると発表した

 中国の食肉加工会社「上海福喜食品」が使用期限切れの鶏肉を使っていた問題で、日本マクドナルド<2702>は29日、対応策を決定、準備が整ったものから実施していると発表した。

 同社は、まずチキン商品を全てタイ製に切り替えた。そして、これに伴い、最終加工国、主要原料原産国の情報公開と品質管理体制の三つの強化策を決定した。

 一つ目は、メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開。これは、)メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開を行うというもの。従来も主要な原料の原産国を公開していたが、7月29日より、商品別に各原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報を一覧にしてウェブサイトにて公開している。http://www.mcdonalds.co.jp

 二つ目は下記対象サプライヤーへの臨時追加監査の実施と毎月の現場での作業確認の実施。これは、日本マクドナルドが中国から輸入するチキン以外の全製品(ホットアップルパイ、McCafe by Baristaのマフィン/クッキー類)のサプライヤー1社へ、日本マクドナルド品質管理担当者による臨時追加監査を、8月3日の週に行う。また、消費者のチキン商品への不安を解消するため、タイのチキン製品サプライヤー2社へも同様の監査を行う。なお、監査対象の3社はこれまでも監査を受けており、問題が無いことは確認されているという。しかし、臨時特別監査でより一層、基準が遵守されていることを明確にする。さらに、このサプライヤー3社には、8月以降も毎月、日本マクドナルドまたは輸入業者の品質管理担当者が現地を訪問し、定められた基準通りに製造されていることを継続的に確認する。

 そして、三つ目はチキン製品と中国製品の、日本国内での品質検査を高頻度に実施。これは、今までの品質検査に加え、輸入業務を担当している商社に委託し、日本政府指定の検査機関で該当商品を対象に重要5項目について、製品の日本到着ごとに検査するもの。7月28日より、日本マクドナルドが既に仕入れている在庫から検査を開始している。これまで、チキンは3カ月に一度、中国製のデザート類(ホットアップルパイ、McCafe by Baristaのマフィン/クッキー類)は不定期で、抜き取り検査を実施していたが、これに付加して二重のチェック体制を構築した。

 日本は農産物の大半を中国に依存しているのが現状だ。だがしかし、今回だけではなく、これまでも何度も中国からの輸入食品の問題は起こっている。もはや大半の国民は中国製品に不信感を抱いているのではないだろうか。いろいろな事情はあるだろうが、選択を迫られる時期が来ているのではないか。(編集担当:慶尾六郎)