【今週の振返り】NYダウ500ドル超下落でも65円上昇した週

2014年08月02日 20:10

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どこかの国債がデフォルトしようと、欧米の株価がボロボロ下げようと、為替の円安は全てを癒す。

 後場は少し下げて始まるが、最近では頻繁に出現する「後場小動き」。午後0時台、1時台は15640~15660円のレンジ、2時台は少し下げて15630~15650円のレンジで小動きを延々と繰り返して大引けまで続いた。終値は28.16円高の15646.23円で4日続伸。日中値幅は72円だった。TOPIXは+1.83の1292.24。売買高は19億株、売買代金は1兆8179億円で、前日よりも商いが増えていた。

 プラスセクターの上位はその他金融、精密機器、非鉄金属、鉄鋼、輸送用機器、食料品など。マイナスセクターの下位は空運、鉱業、建設、不動産、石油・石炭、陸運などだった。

 30日のNYダウは31ドル安。NASDAQは20ポイント上昇した。注目の4~6月期国内総生産(GDP)が発表され1~3月期の2.9%減から超V字回復の4.0%増。市場予測の3.0%増を大きく上回るポジティブサプライズでNYダウは高く始まる。しかしADP雇用レポートの非農業部門民間就業者数の伸び率が鈍化して市場予測を下回るとマイナスに転じた。午後にFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が出て、FRBがQE3終了後も緩和的な金融政策を続ける方針を示すとプラスにタッチする場面もあったが、早期利上げ警戒感は払拭できず結局マイナスで終えた。30日で米ドル建て国債の利払い猶予期限を過ぎたアルゼンチンに対しS&Pが信用格付けを「選択的デフォルト」に格下げ。31日朝方の為替レートはドル円が一時103円にタッチして102円台後半、ユーロ円は137円台後半で、円安が大きく進んでいた。

 日経平均は86.55円高の15732.78円と15700円台に乗せて始まる。これで1月23日の安値15690円と24日の高値15485円の間に空いた205円の大マドを埋めきった。TOPIXは1300の大台寸前で始まり、午前9時5分に大台に乗せる。同時に日経平均も15759円まで上昇した。その後はおおむね15730~15750円のレンジで動き、ときどき15750円の上に出る。その間、上海、香港市場はプラスで始まり、6月の毎月勤労統計で所定内給与(基本給)が2年3ヵ月ぶりに前年同月比プラスになっていた。しかし、10時40分すぎにアルゼンチン政府とアメリカのファンド代表者の話し合いが合意に達しなかったニュースが流れると下落が始まり、15700円を割り込んで11時24分には15688円まで下げるが、前引けは15701円だった。

 後場は前引け水準で再開し、午後0時台は15700円台を上回って推移していたが1時台に割り込んで、1時19分に15675円まで下げる。その後は横ばいで2時台には14700円台も一時回復。2時に発表された6月の新設住宅着工戸数は前年同月比9.5%減で4カ月連続マイナス。2時30分頃から急落が始まり、TOPIXに続き日経平均も2時38分にマイナスに落ちる。大引け直前に15618円の安値をつけ、終値は25.46円安の15620.77円で5日ぶりに反落。前月末から458.67円上昇して7月の取引を終えた。終盤に日中値幅は141円に拡大。TOPIXは-2.82の1289.42。売買高24億株、売買代金2兆2051億円で21日ぶりに2兆円台に乗せた。

 プラス上位は海運、その他金融、空運、銀行、不動産、保険など。マイナス下位はその他製品、食料品、水産・農林、ゴム製品、非鉄金属、鉱業などだった。

 7月31日のNYダウは317ドル安で3日続落し約2ヵ月前の水準に逆戻り。NASDAQも93ポイントの大幅下落だった。アルゼンチン国債のデフォルト問題は東京では0.16%下落のさざ波だったが、フランクフルトやパリでは1%を超える大幅安の荒波と化し、NYも大波にのみ込まれ1.88%下落という形で株安が増幅しながら地球を一周した。ユーロ圏CPI伸び率が+0.4%まで落ち込んでデフレ懸念が再燃し、ポルトガルの銀行BESが1~6月期で巨額赤字を計上し、ロシア制裁の影響が大きいアディダスが15%を超える大幅安とヨーロッパに悪材料が多く、それに月末要因や雇用統計待ちが加わり最近にはなかった大幅安を演出した。8月1日朝方の為替レートはドル円102円台後半、ユーロ円137円台後半で少し円高でも、リスク回避の円買いとまでは言えなかった。

 日経平均は109.23円安の15511.54円と3ケタ下落で始まる。午前9時15分に15501円で下げるがそこから折り返して10時台には15550円を突破する。大手企業決算が下支えになった面があった他、先物は15500円で下げ止まり、為替は102円台後半の円安水準を保ち、「下げたらETF買いの『日銀砲』発射」という援護射撃期待もあった。上海、香港はマイナスで始まるが、中国物流購入連合会の製造業PMIが発表されて市場予測を0.3ポイント上回る51.7と順調。それを好感したのか10時44分に15602円と一時15600円台にタッチした。その後も15550円を上回る水準で推移して、前引けは15568円だった。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、午後0時台は上昇して15600円に接近するが、1時台は決算発表がどんどん出てくるのを尻目に15570円近辺の小動きに終始。しかし2時、2.5%減で「軽」も13ヵ月ぶりに7.1%減った7月の新車販売台数速報が発表されると15520円近辺まで急落する。その後は15540円前後で動いたが大引け間際に下げ、終値は97.66円安の15523.11円と続落し3勝2敗、前週末7月25日の終値から65.24円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は101円。TOPIXも-8.12の1281.30と続落した。売買高は22億株、売買代金は2兆1711億円で、2日続けて2兆円を超えた。

 プラスのセクターはガラス・土石、電気・ガス、水産・農林、空運。マイナスのセクターで下落率が小さいのは非鉄金属、建設など。大きいのは海運、金属製品、保険、その他製品、その他金融、卸売などだった。(編集担当:寺尾淳)