国内通話完全定額制の新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の提供により利用者の増加、また業績の拡大をはかるNTTドコモ<9437>ではあるが、しかしスマートフォン(多機能携帯電話)向けの割引制度の負担が重くのしかかり、2014年4~6月期の連結決算は売上高が前年同期比3.4%ダウンの1兆753億円、営業利益も前年同期比15.3%ダウンの2096億円と減収減益になった。その減益の影響が、親会社であるNTT<9432>にも及ぶ結果となった。
6日、NTTが発表した14年4~6月期の連結決算(米国会計基準)によれば、本業のもうけを表す営業利益は前年同期比14.6%ダウンの2979億7900万円で、2期連続でのマイナスとなった。売上高については前年同期比1.2%アップの2兆6402億円であり、4期連続でのプラスとなった。
このNTTの結果は、子会社であるNTTドコモがスマートフォンを対象とした割引制度の負担により減益となったことが影響している。そのほかにも、NTTコミュニケーションズが行った先行投資により営業費用がかさんだことも影響したとみられている。しかし売上高については、海外でクラウドサービスを手がける子会社の業績が大きく伸びたことなどにより、プラスとなった。
主な子会社別に業績を見てみると、公共部門の受注が好調に推移したNTTデータ以外は減益という結果であり、NTTドコモについてはスマートフォン向けの割引制度の負担が足を引っ張り、またNTT東日本やNTT西日本については国内におけるブロードバンド通信市場の競争激化に伴い、やはり落ち込みをみせた。
また15年3月期通期の連結業績予想については、営業利益は前年同期比0.1%アップの1兆2150億円、売上高は前年同期比2.5%アップの11兆2000億円、そして純利益は前年同期比0.1%アップの5860億円と据え置いた。
こうして減益となったNTTだが、しかし年間目標に関しては想定の範囲内で推移しており、またこれからNTTドコモが提供を開始した新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」の効果が表れてくるとの見込みから、下期で巻き返しをはかりたいとしている。(編集担当:滝川幸平)