学研HD<9470>は9月期通期見通しを下方修正し9円安で値下がり率17位。リブセンス<6054>は12月期の営業利益見通し67%減と発表して23円安。「就職祝金」で急成長したが、転職市場が売り手市場になると転職希望者は条件のいい企業にどんどん就職してしまい市場が縮小してしまうという。
日経平均3ケタ上昇でもカヤの外だったのが業種別騰落率最下位の不動産セクター。三井不動産は売買代金14位で38円安、三菱地所<8802>は売買代金12位で33.5円安、住友不動産<8830>は9.5円安、東京建物<8804>は2円安、東急不動産HD<3289>は値動きなし。三菱UFJ証券が三菱地所、住友不動産、東急不動産HDのレーティングを引き上げたが焼け石に水だった。
グリー<3632>はスマホゲームのヒット作が出ず、6月期は売上高17%減、営業利益28%減、純利益23%減という減収減益決算を発表した。前期の初の減益に続く2期連続で純利益は市場予測を下回り、年間配当も前期から3円減配。さらに7~9月期の営業利益も44%減で市場予測より10億円低い55億円を見込み、売買代金15位と売られ8円安で年初来安値更新。通期業績、配当見通しは非開示。飛ぶ鳥を落とす勢いだったのがウソのような凋落ぶりで、やはりゲーム業界は一寸先は闇。それを痛感しているはずの任天堂<7974>は130円の大幅上昇だったが、コロプラ<3668>は売買代金3位に入り60円安、Klab<3656>は売買代金5位に入り131円安で値下がり率3位、マーベラス<7844>は売買代金18位に入り14円安、ネクソン<3659>は34円安で値下がり率11位、enish<3667>は48円安で値下がり率13位。「夏休みのお試し組」のゲーム関連銘柄のトレードも、お盆休み中の営業日はあと1日でおしまいだ。
新興市場は日経ジャスダック平均が0.36%上昇、東証マザーズ指数が0.31%上昇と小幅高。新興市場銘柄は決算発表が遅い傾向があり、決算内容を好感した買い、嫌気した売りが入っていた。比較ドットコム<2477>は6月期の純利益が約7倍で150円高。ユーグレナ<2931>は10~6月期の純利益が83%減で1円安。創薬ベンチャーのデ・ウエスタン・セラピテクス研究所(DWTI)<4576>は上半期の売上高が0円でも7~9月期に緑内障治療剤が承認される予定で、59円高で年初来高値を更新した。
デジタルガレージ<4819>は2015年6月期通期の営業利益72.5%増の見通しを発表し、創立20周年記念配当を実施して年間配当予想を2円増配の7円とし170円高。3月のIPO銘柄サイバーリンクス<3683>は、1~6月期の好決算とともに1株を3株にする株式分割、期末配当予想を34円から11円40銭に変更し分割を考慮すると実質20銭の増配を発表して400円高。ミクシィ<2121>は下落幅が一時10%を超えカラ売り規制が発動される事態で390円、6.22%の大幅安。前日高値が4日の年初来高値に70円届かなかった。新高値を取れない「頂上アタック失敗」後に急落するパターンは、よくある。
この日の主役は業種別騰落率3位に入った建設セクター。前日発表の4~6月期のGDPが6.8%減と不振で、早ければ9月の内閣改造前後に安倍内閣が景気対策を講じ、公共投資の増額がその軸になるという連想が働いて買われた。4~6月期は大部分の銘柄の採算が改善して増益が揃い、内容は悪くない。
それでも減益決算の大成建設<1801>は11円高、ビル建設にロボットを導入する大林組<1802>は23円高、清水建設<1803>は26円高、鹿島<1812>は11円高で、ゼネコン最大手4銘柄は全て年初来高値を更新した。年初来高値を更新した銘柄は他に安藤ハザマ<1719>、西松建設<1820>、前田建設工業<1824>、奥村組<1833>、東洋建設<1890>などがあった。低位建設株の三井住友建設<1821>は売買高4位、鉄建<1815>は売買高5位、売買代金8位に入り29円高で値上がり率5位、熊谷組<1861>は売買代金16位、売買高6位、大豊建設<1822>は34円高で値上がり率4位とランキングをにぎわせた。震災復興に始まり国土強靱化、東京ベイエリア再開発、東京五輪に今度は景気刺激策の公共投資と、建設セクターが買われる材料の種は尽きない。(編集担当:寺尾淳)