財務省が8日発表した14年上半期(1~6月)の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの総合的な取引状況を示す経常収支は5075億円の赤字だった。上半期の経常赤字は現行基準で比較可能な1985年以降で初めて
中国における日本車の販売台数は2012年の日中関係の悪化を受けて激減したが、その後、回復した。日本のメーカーは新型モデルの投入を加速したり、中国人が好むデザインを取り入れたりするなどの対策を取り、シェアを取り戻した。
しかし、アナリストによると、日本車は利益率が高い大型セダン部門で特に低迷している。競争が激化していることと消費者が小型高級車に乗り換えているためだという。米証券会社スタンフォード・C・バーンスタインと自動車情報サイト「オートホーム」が5万人の中国の消費者を対象に行った最近の調査によると、日本車の潜在的消費者のうち48%が大型のセダンを購入するならドイツの小型高級車を検討すると回答した。日本ブランドの勢いは中国のSUV市場でも衰えている。SUV市場での日本ブランドのシェアは現在21%で、09年の46%から半減した。一方、ドイツ車のシェアはこの5年間でゼロから18%まで拡大した。
ウォールストリートジャーナルのインタビュー記事を紹介しよう。金融業界でマネージャーとして働くDeng Danさん(30)は今年4月、3年前から乗っていた日産のスポーツ用多目的車(SUV)「キャシュカイ」からアウディのセダンに乗り換えた。「アウディは若い人たちの間でとても人気があります。私は流行に乗りたかっただけ」と中国南部の湖南省長沙市の郊外に住むDengさんは語った。「心の中では、日本車を買う人はあまり裕福ではない人だと思っています」。
財務省が8日発表した14年上半期(1~6月)の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの総合的な取引状況を示す経常収支は5075億円の赤字だった。上半期の経常赤字は現行基準で比較可能な1985年以降で初めて。燃料輸入額が高水準で推移しているうえ、製造業の海外生産が進み、貿易赤字が巨額になっていることが経常赤字の原因とされている。
しかし、日本の貿易赤字の原因を高水準の燃料輸入や製造業の海外生産の進展に求めるだけで良いのだろうか。かつての憧れ「Made in Japan」は世界のマーケットで確実に商品としての競争力を失っている。良いモノを作れば必ず売れる。もはやそんな信仰のようなモノ造りの信念は通用しないのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)