【日経平均】お盆以下の薄商いの中、4.26円高で6日続伸

2014年08月18日 20:13

 低位建設株は鉄建<1815>が売買高1位、売買代金2位に入り51円高で年初来高値を更新し値上がり率4位、熊谷組<1861>が売買高3位、売買代金6位に入り15円高で年初来高値更新、大豊建設<1822>が売買高7位、売買代金12位に入り29円高で年初来高値更新、三井住友建設<1821>が売買高10位に入り2円高、イチケン<1847>が22円高で値上がり率5位、青木あすなろ建設<1865>が66円高で年初来高値を更新し同6位、大和小田急建設<1834>が43円高で年初来高値を更新して同11位だった。

 後発医薬品の普及させる意図で、医師が処方せんに「後発薬への変更不可」と書く際に新薬を使う理由の記載を義務づける提言を自民党行革推進本部が行うと報じられた。苛酷な薬価引き下げでテーマ株物色にトドメを刺しておいてのこの誘導策。国家統制価格の製薬業界は政治家のオモチャか? それでも沢井製薬<4555>は60円高、日医工<4541>は8円高、東和薬品<4553>は15円高と、後発医薬品各社の株価は健気に上昇し、医薬品セクターは業種別3位だった。細菌検査に本格参入する日本板硝子<5202>は売買高11位で1円高だった。

 働いた時間ではなく成果に応じて賃金を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入検討を始めたと報じられた富士フイルムHD<4901>は17.5円安、伊藤忠商事<8001>は6円高。政府は2015年の法改正を目指す。Jフロントリテイリング<3086>は7月の売上高を前年比2.2%減と発表し4ヵ月連続マイナスで2円安。ローソン<2651>はコンビニ店舗にケアマネージャーを常駐させて介護支援を行う店を2015年から設けると報じられたが120円安。コロワイド<7616>は台湾企業と契約して2015年春から台湾各地で「牛角」「温野菜」をFC展開すると報じられ6円高だった。

 東京建物<8804>は三菱UFJ証券がレーティングを2階級特進させて25円高。地上でドンパチが続いても海は平和なのかバルチック海運指数は10営業日続伸で、川崎汽船<9107>は1円高で売買高6位。電通<4324>は15日に南アフリカの広告会社クリムゾン・ルームの株式60%取得で合意したのを好感され125円高だった。

 携帯コンテンツ関連は、日本エンタープライズ<4829>が80円高で値上がり率1位。社員が持つスマホを社内の内線電話として使えるようにするアプリを開発したと発表した。エムティーアイ<9438>は女性の妊娠から出産、育児まで支援するスマホ向け情報サイトを18日に開設して18円高。女性社員の仕事と育児の両立支援活動で連携すると発表しながらヤフー<4689>は3円安、サイバーエージェント<4751>は95円安、グリー<3632>は三菱UFJ証券がレーティングを引き下げ36円安で値下がり率6位だった。

 ゲーム関連で最も目立ったのが、その他製造セクターを業種別トップに押し上げた任天堂<7974>で売買代金3位に入り450円高。海外メディアが「ポケモンカードゲームが今年中にアップルのiPadアプリとしてリリースされる」と報じて火がついた。7月31日の4~6月期最終赤字99億円の衝撃の決算発表以来、8月の株価は「妖怪ウォッチ」ブームどこ吹く風で11000円を割り込む日もあったが、「こんなところにいてはいけない」とピカチュウの逆襲で大幅高。任天堂はスマホ版は出さない方針だという。

 ゲーム関連は一服の日。コロプラ<3668>は売買代金5位だが260円安で値下がり率3位、DeNA<2432>は36円安で同15位。Klab<3656>は29円安、ミクシィ<2121>は「モンスターストライク」ユーザーが1100万人を突破しゴールドマンサックスがレーティングを引き上げたが300円安だった。新興市場は日経ジャスダック平均は0.16%上昇、東証マザーズ指数は0.89%下落。

 この日の主役は中外製薬。筆頭株主のスイスのロシュが完全子会社化検討と報じられた。もしそうなれば同銘柄は上場廃止になる見込み。中外製薬は否定コメントを出し「ロシュはコメントしません」と気色ばんだが、序盤は買い気配で値がつかず10時4分にストップ高の700円高で寄り付いた。終値は510円高で15.38%上昇し年初来高値を更新して値上がり率2位。売買高は13位、売買代金は1位だった。

 医薬品銘柄の外資による完全子会社化としては11年前の2003年にメルクが万有製薬に対しTOBをかけた例があり、「未所有分の普通株取得で100%完全子会社化」は今回の中外製薬のケースと全く同じ。それは2003年1月9日大引け後に発表され、万有製薬は同年7月28日に上場廃止になった。TOB価格が1月9日終値1104円に対して1400円と高かったこともあり、1月10日の同社株はストップ高比例配分の200円高、18.11%上昇して値上がり率2位だった。正式発表でない分、騰落率は中外製薬のほうが低い。万有製薬はその後、2010年に社名をMSDと改め創薬メーカーからメルクの日本販社のような存在に変わったが、中外製薬もロシュの完全子会社になればそうなる運命なのだろうか?(編集担当:寺尾淳)