人事給与関係業務情報システム なぜ1社入札に

2014年08月18日 12:09

 防衛省など一部を除き、全府省に導入の方向で進んでいる人事院の人事給与関係業務情報システムについて、自民党の河野太郎副幹事長(衆院議員)が当初の導入計画費用やその後のランニングコスト、加えてソフトウエアに問題があるなど、問題点の多さを指摘するとともに、システムについて「ソフトウエアは沖電気と富士通のJVが落札。ハードウェアは第1期が沖電気の1社入札、第2期は富士通の1社入札だという。無駄遣い撲滅プロジェクトチームでは、1社入札になった経緯などを調べると同時に、人事院に第三者の専門家による外部チェックを要請した」と自身のブログで明らかにした。

 それによると、システムについては「11府省が利用し(府省と言っても宮内庁、衆議院、会計検査院、公正取引委員会なども使っている)、平成28年度末までには最高裁判所や参議院を含め、すべての省庁が利用することになっている」。

 河野副幹事長は「元々の計画では初期投資に84億円、毎年の運用経費が15億円というはずだった。結果的には143億円の初期投資と27億円のランニングコストがかかっている」とした。ランニングコストに検証の必要がありそうだ。

 また、平成22年度の導入からすでに4年になるにもかかわらず、「いまだにソフトウエアに問題があり、すでに1000件以上の改善要望が出され、利用している役所の不満を聞いて、導入をためらっている役所もあるよう」と指摘。

 一例として「人事発令を入力すると夜間にバッチ処理が行われ、朝には人事が反映されているはずなのに処理スピードが遅く間に合わなかったということが起きている」という。臨時国会で、こうした問題が議論されるかどうかも注視したい。(編集担当:森高龍二)