内閣府が8月13日に発表した2014年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.7%減、年率換算で 6.8%減と2四半期ぶりのマイナス成長となった。これは、1~3月期の消費税増税にともなう駆け込み需要の反動減から、個人消費が不振で、輸出や設備投資も減少したからだ。また、帝国データバンクが全国2万社超の企業を対象に実施している「TDB 景気動向調査」によると、2014年 7月の景気 DI は 46.9(前月比 0.4 ポイント増)と、景気判断の分かれ目となる 50 を割り込む状態が4 月以降続いており、回復は伸び悩んでいる。
こうしたなか、帝国データバンクでは100 業界219業種について、各業界の企業業績や経営環境に基づいた 2013年度(2013 年4月~2014年3月)の動向と2014年度(2014年4月~2015年3月)の展望を調査し、最も良い「快晴」から、「晴れ」「薄日」「曇り」「小雨」「雨」、最も悪い「雷雨」まで、7 段階に分類した「業界天気図」の集計を行った。
「快晴」「晴れ」「薄日」の 3段階を「晴天」に、「小雨」「雨」「雷雨」の 3段階を「雨天」に分類すると、2013年度の動向は全219業種中81業種(構成比 37.0%)が「晴天」と、前年度(42業種)から 39業種増加した。このうち、最も良い「快晴」は2業種で前年度比1業種増、「晴れ」は16業種で同7業種増、「薄日」は63業種で同31業種増と、「晴天」の増加が顕著となった。一方、「雨天」が64業種(構成比 29.2%)と、前年度(92業種)を28業種下回った。このうち、「小雨」は31業種で同16業種減、「雨」は24業種で同5業種減、最も悪い「雷雨」が 9 業種で同7業種減となった。
前年度からの天気の好転・悪化状況を見ると、「好転」は 89業種(構成比 40.6%)にのぼった。他方、「悪化」は8業種(同3.7%)にとどまった。『建設』は公共工事の増加に加えて、民間設備投資の持ち直しが追い風となり、大手ゼネコンだけでなく中堅クラス以下の企業においても増収が目立ち、2013 年度は前年度の「曇り」から「薄日」へ好転。また、『人材派遣』もクライアント企業の経営環境が改善したことで、業績が事務系、メーカー系を問わず堅調に推移し、「曇り」から「薄日」へ好転した。
同じくクライアント企業による経費削減の影響などが続いていた『広告代理店』は、経営環境の改善により広告宣伝意欲が高まったことから、前年度の「小雨」から「薄日」へ2段階好転した。また、製品のコモディティ化が進み厳しい価格競争に晒されている『家電製造』も、テレビの不振が続くなか、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの大型の白物家電を中心に出荷を伸ばし、「雷雨」から「小雨」へ2段階好転した。
2014年度の展望を見ると、全219業種中「晴天」が71業種(構成比 32.4%)と、前年度(81業種)から10業種減少した。このうち、最も良い「快晴」は前年度と同じく2業種、「晴れ」は15業種で前年度比1業種減、「薄日」は54業種で同9業種減となり、「晴天」の減少が目立つ。一方、「雨天」は前年度と同数の64業種(構成比29.2%)。このうち、「小雨」は 29 業種で前年度比2業種減、「雨」は26業種で同2業種増、最も悪い「雷雨」が前年度と同数の9業種となった。
前年度からの天気の好転・悪化状況を見ると、「好転」は 18業種(構成比8.2%)にとどまり、前年度(89業種)から大幅に減少する見通しとなった。一方、「横ばい」は 170業種(同 77.6%)にのぼり最多、「悪化」は前年度(8 業種)から 23 業種増え、31業種(同14.2%)を見込むとしている。(編集担当:慶尾六郎)