電子部品メーカーのローム<6963>はSMBC日興証券がレーティングを引き上げ340円高で年初来高値更新。未定だった7~9月期末配当予想を21円とした東京エレクトロン<8035>は9円高。古河電池<6937>は世界初の紙容器でできた非常用マグネシウム空気電池を12月に発売するという材料がありストップ高の10円高で値上がり率3位。
OKK(大阪機工)<6205>は50億円を投資して中型工作機械を5割増産という景気のいい話が出て4円高。機械製造販売事業の売上高が当初予想を下回り、10月期の経常利益見通しを約10%の2.1億円下方修正した巴工業<6309>は23円安。水素ステーションへの政府の補助金増額という材料があり岩谷産業<8088>は32円高。同じ燃料電池・水素関連銘柄の三菱化工機<6331>も43円高で値上がり率4位と買われた。オーバル<7727>も22円高で値上がり率10位に入っていた。九州電力<9508>は4~9月期の最終赤字が400億円の見通しで3円安。これでは川内原発が再稼働しても業績はなかなか改善しない。
中堅建設株はこの日も元気。熊谷組<1861>は売買高3位、売買代金10位で5円高になり年初来高値更新。三井住友建設<1821>はカンボジアで橋梁を建設中という話題が新聞に載っただけで売買高1位、売買代金12位で2円高になり年初来高値更新。新規受注はだいぶ前だが買う理由は何でも良し、か? LIXILG<5938>はクレディスイスがレーティングと目標株価を引き下げ年初来安値を更新したが終値は1円高だった。
椎間板ヘルニア(ぎっくり腰)の新薬開発で前日ストップ高比例配分だった生化学工業<4548>は多くの「買い残し」があり242円高と買われ年初来高値を更新し値上がり率2位だった。栄研化学<4549>は長崎大学とエボラ出血熱の新しい診断技術を開発というニュースがあり116円高で値上がり率11位。大正製薬<4581>や龍角散(非上場)など東京生薬協会加盟の製薬会社が連携し、病院で一般用医薬品(大衆薬)を活用する実証実験を今年度中にも秋田県美郷町で始めると報じられた。病院では医師の処方箋を基に医療用医薬品を投与するという原則に風穴を開け、風邪などの軽い症状は公的負担のない大衆薬の利用を促すという全国初の試み。大正製薬は40円安だった。オンコセラピー<4564>は薬の調剤を行う自動調整機の「エマルション製剤を自動調整するための装置及び調整方法」についてオーストラリア特許庁から特許査定が発行されたと発表し2円高。
輸送トラブルなどで輸入原料小麦の供給が途絶えても安定供給できるよう、日清製粉G<2002>傘下の日清製粉は35億円を投資し小麦を貯蔵するサイロを2016年までに増設。川崎市の鶴見工場の貯蔵能力を25%引き上げると報じられ9円高。地政学的リスクがおさまらないから、食料やエネルギーの安全保障を考えなくてはならなくなる。
中古車販売のネクステージ<3186>は9月19日のマザーズから東証1部への指定替えが承認され、9月17~18日に50万株の立会外分売を実施すると発表しストップ高の100円高。立会外分売は売出しと同じく希薄化は起きないが需給は悪化する。バッグ、財布小売の東京デリカ<9990>は9月30日時点の株主を対象とする1対1.5の株式分割実施と期末配当予想の28円から20円への修正を発表した。分割を考慮すると2円増配になり137円高で年初来高値更新。
東証がすかいらーく<3197>の10月9日の8年ぶりの再上場を正式承認。東証1部か2部かは条件決定日の9月29日以降に決まる。公募は国内で413万株、売出しは国内4314万株、海外2330万株の予定。人気が出れば最大709万株の追加売出しも実施。国際会計基準(IFRS)採用企業では初の株式公開になる。
西武HD<9024>が買われて売買代金4位に入り9円高。日本通運<9062>は企業向けの運送料を15%引き上げると報じられ5円高。値上げは1990年以来24年ぶり。パーク24<4666>は販管費増で11~7月期(第3四半期)が増収減益、純利益1%減の見通しでも40円高だった。
エスサイエンス<5721>は特別利益を計上して通期純利益見通しを上方修正して売買高9位に入り16円高で年初来高値を更新し値上がり率1位。リソー教育<4714>は通期の最終利益見通しを6.4億円から11.9億円に86.7%上方修正して10円高。
新興市場は日経ジャスダック平均が0.88%上昇、東証マザーズ指数が0.14%上昇した。ロボット関連の菊池製作所<3444>は福島県の「災害対応ロボット産業集積支援事業」で、開発中の3件が採択されて420円高。ハーモニックドライブ<6324>も80円高で年初来高値更新。フェヴリナHD<3726>は株主優待制度の最低基準を1000株以上から100株以上とし自社商品から5000円相当の優待券に変更してストップ高比例配分の50円高で年初来高値更新。QUOカードなど金券のほうが株主に喜ばれる。(編集担当:寺尾淳)