【今週の振返り】円安を味方にしきれなくても244円上昇した週

2014年09月06日 20:11

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熱しやすく、冷めやすい。新しい物好きで、すぐあきる。せっかちなのに、好条件を素直に喜ばない江戸っ子相場。

 レイバー・デーの3連休前の前週末8月29日のNYダウは18ドル高、NASDAQ総合指数は22ポイント上昇した。シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予測を上回って高く始まったが、英国政府がテロ警戒レベルを引き上げたニュースで下落。反発後は閑散とする中、前日終値付近でウロウロして終えた。アップルが9日に新製品発表会を行うと発表。9月1日朝方の為替レートはドル円が104円台前半、ユーロ円が136円台後半で、ドル円はアメリカの長期金利の上昇を背景に前週末からドル高円安に振れた。

 日経平均は30.0円高の15454.59円で3日ぶりに反発。TOPIXも上昇し1280台を回復して始まる。ドル円の円安進行を好感し午前9時6分に15478円まで上昇しながら、9時18分には15440円まで下落。その後は15440~15460円の水準で10時の中国国家統計局(物流購入連合会)のPMIの発表を待つ。発表数字は市場予測より0.1ポイント低いだけの51.1で中国関連銘柄も反応薄。香港はマイナスだが上海はプラスで始まる。10時45分発表のHSBCのPMI改定値は速報値より0.1ポイント低い50.2だったが、サプライズのない安心感で上海は上昇を継続し日経平均も上昇。15460円を抜けて11時台には15470円近辺まで伸ばし、前引けは15468円だった。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、ドル円が104円台で安定するのを受けて15460円台でほとんど動かなくなる。午後1時30分すぎから値を切り上げるが、2時に8月の自動車販売台数が発表され登録車は5.0%減、軽自動車は15.1%減と落ち込むと元の水準に下がる。それでも15460円は割り込まない。2時台のうちに15470円近辺まで上がり、大引けではさらに上昇して52.01円高、15476.60円で3営業日ぶりに反発。日中値幅は37.78円で今年最少を記録した。TOPIXは後場上昇し2時47分に高値を取って+5.09の1283.06と順調。売買高は18億株で4日ぶりの20億円割れ。売買代金は1兆3308億円で4月18日以来、今年3番目の薄商いになった。

 プラスのセクター上位は建設、ガラス・土石、非鉄金属、不動産、鉄鋼、繊維など。マイナスのセクターは海運、情報・通信、食料品、小売、保険、サービスだった。

 9月1日のアメリカの株式市場は「レイバー・デー」の祝日で休場。2日朝方の為替レートはドル円104円台前半、ユーロ円137円近辺で前日よりも円安が進んでいた。

 日経平均は50.34円高の15526.94円と15500円台を回復して始まる。TOPIXもプラス。序盤は値が動かなくなり午前9時50分頃まで15516~15535円の上下19円の範囲。ところが、ドル円が急に円安に動き、それに連動してつむじ風のような上昇が始まる。10時15分頃には15600円突破。各国通貨に対する円安が止まらず10時30分を回ると15650円にもタッチ。上海はプラス、香港は下落で始まる。7月の毎月勤労統計調査の現金給与総額は+2.6%で9年8ヵ月ぶりに2%台をマークして市場予測を大幅に上回るポジティブサプライズ。日経平均は徐々に値を切り上げ、前引けは15676円で前日終値から200円も上昇した。

 昼休み中にドル円は104円79銭まで円安が進行し、後場は15709円と高値を更新し14700円台に乗せて再開する。午後0時38分に15737円まで上昇し、TOPIXは1300台にタッチするが、そこでようやく折り返して15700円近辺まで下げる。その間、「7月末戻り高値」の終値ベース15646円は10時台にすでにクリアし、ザラ場ベース15759円は後場、あと22円まで迫った。1時台から2時台にかけては15700円前後の水準で落ち着いて小動き。1月以来の円安水準がさらに進行してドル円レートは105円に接近し、そのまま15700円台でフィニッシュするかと思いきや、大引け前に利益確定売りが入って後場の上昇を全部打ち消した。

 それでも終値は192.00円高の15668.60円で大幅続伸。日中値幅は前日の5.8倍の221円もあった。TOPIXは+13.94の1297.00。売買高は24億株あったが売買代金は1兆9744億円で惜しくも2兆円に届かなかった。注目の東証2部指数は最後にプラスになり+0.05%で15連騰なお継続中。しかし日経ジャスダック平均は0.21%下落し東証マザーズ指数は1.98%下落した。先物トレードが派手に復活し、前日までの小型株、低位株、テーマ株、東証2部、新興市場に偏った地合いから東証1部の大型株、それも日経225採用銘柄へと主役が交代していた。

 プラスセクターの上位は証券、その他金融、不動産、電気機器、その他製品、輸送用機器など。下位は建設、食料品、空運、卸売など。マイナスセクターは医薬品、海運だった。