【今週の振返り】円安を味方にしきれなくても244円上昇した週

2014年09月06日 20:11

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熱しやすく、冷めやすい。新しい物好きで、すぐあきる。せっかちなのに、好条件を素直に喜ばない江戸っ子相場。

 レイバー・デーの3連休明けのNYダウは30ドル安。NASDAQは17ポイント上昇。ISM製造業景況指数は59.0で3年5カ月ぶりの高水準でもマーケットは反応薄。午前中はまだ堅調だった株価を午後値崩れさせたのは、EU首脳が「5日に決まる」と漏らしたロシア追加制裁によるヨーロッパの景気悪化懸念だった。ドル円はNY時間の序盤に一気に約8ヵ月ぶりの105円突破で、3日朝方の為替レートは105円台前半、ユーロ円も138円台近辺まで円安が進んでいた。

 日経平均始値は129.19円高の15797.79円で、7月31日のザラ場高値15759円を上回って7月末の戻り高値チャレンジ終了。TOPIXは1300台を回復。すぐに15800円台に乗せるが10分足らずで再び割り込み、その後は時々大台にタッチしながらおおむね15780~15799円のレンジで推移する。ドル円レートもほとんど変動しない。上海、香港がプラスで始まっても反応はなく、そのまま前場を終了して前引けは15798円だった。

 昼休みに為替がやや円安方向に動き後場は15800円台に乗せて始まる。午後0時38分に15829円まで上昇した後は1時40分頃まで徐々に水準を切り下げるが、そこから15800円を割り込んで2時までに大きく下落。2時、首相官邸で菅官房長官(留任)が第二次安倍改造内閣の閣僚名簿を発表した。 これで材料出尽くしなのか2時14分に15726円まで下落する。リカバリーして15780円付近まで上がり、15800円台に戻るかと思いきや、ドル円が急に円高に振れ105円台から滑り落ちると日経平均は折り返してズルズル下落し、2時59分に15723円の安値をつける。終値は始値を下回ったが59.75円高の15728.35円で3日続伸した。日中値幅は終盤の下落で3ケタの106円に拡大。TOPIXは+4.52の1301.52で年初来高値を更新した。JPX日経400も+42.84の11806.73で終値ベース年初来高値更新。しかし東証2部指数は0.13%下落し連騰記録は15でストップした。売買高は24億株、売買代金は2兆688億円で、8月8日以来の2兆円台に乗せた。

 プラスのセクター上位は海運、その他金融、銀行、証券、電気機器、空運など。マイナスのセクター下位はその他製品、鉱業、サービス、鉄鋼、パルプ・紙、医薬品など。

 3日のNYダウは10ドル高。NASDAQは25ポイント下落で前日とは逆。ベージュブック(地区連銀経済報告)は全地区で経済活動が拡大したが、製造業受注は10.5%増でも市場予測を下回った。ウクライナとロシアが恒久的停戦で大筋合意という第一報で急上昇し、停戦ではなく「停戦方法で合意」という続報で下落。その後は雇用統計、ECB理事会の結果待ちの様子見ムードに支配されたがマイナスは一時的だった。4日朝方の為替レートはドル円が104円台後半、ユーロ円が137円台後半で円高に戻っていた。

 日経平均は26.74円安の15701.61円で始まる。TOPIXもマイナス。開始後すぐに日経平均は15700円台、TOPIXは1300台を割り込む。午前9時3分に15676円で底を打った後に反転し、9時30分すぎにTOPIXとともに一時プラスにタッチする。10時台は一時15700円を割り込み、上海市場も香港市場もマイナスで始まるが、日経平均はマイナス圏ながら11時までに15720円付近まで上昇し、その後も15700円台を維持して前引けは15703円だった。

 午後0時7分に日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、「緩やかな回復」という景気の基調判断を維持。現状の金融緩和政策継続を全員一致で決めた。それを受け後場は15700円を割り込む水準で再開する。午後1時前後に15700円にタッチする時間帯もあったが、1時台後半にもう一度タッチした後はズルズルと値を崩し、15680円も割り込んでこの日の安値を更新しながら下げていく。2時51分には15663円まで下落。終値は52.17円安の15676.18円で4日ぶりに反落。日中値幅は69円だった。TOPIXは-5.13の1296.39で再び1300を割り込んだ。売買高は21億株だったが売買代金は1兆7404億円で再び2兆円割れ。日銀会合は通過しても夜のECB理事会、5日夜のアメリカの雇用統計と様子見になりやすいイベントが控えていた。

 プラスセクター上位は鉱業、パルプ・紙、電気・ガス、保険、食料品、非鉄金属など。マイナスセクター下位は建設、海運、その他金融、金属製品、鉄鋼、機械などだった。