【今週の展望】それでもやっぱりSQ週は「鬼門」なのか?

2014年09月07日 20:12

 今週、9月第2週(8~12日)は5日間の取引。12日は大阪取引所の指数先物、指数ミニ先物、指数オプション取引全ての特別清算指数が算出される「メジャーSQ」の日。SQの週は毎月、火曜日、水曜日あたりに波乱が起きているが、9日、10日はどうなるか?

 世界の主要国の株式市場の休場は、8日は中国の上海、深セン市場、台湾の台北市場が「中秋節」で休場する。香港市場は8日ではなく翌日9日が中秋節の振替休日になるので注意。中秋節は月餅を食べながら満月をめでる風雅な祭日で日本のお月見「中秋の名月」のルーツ。韓国では8~10日が中秋節にちなんだ「秋夕(チュソク)」の連休で休場し、株式市場は11日から開く。日本のお盆のような帰省ラッシュになる。

 国内の経済指標は8日朝のGDP改定値が重要。速報値からの下振れが予想され、悪化ぶりがひどいと株価を大きく押し下げそうだ。同日発表の景気ウォッチャー調査もあなどれない。11日の法人企業景気予測調査も弱気な数字が出れば下落要因になる。

 8日は7月の国際収支、4~6月期の国内総生産(GDP)改定値、8月の景気ウォッチャー調査、9日は7月の第三次産業活動指数、8月のマネーストック、消費動向調査、工作機械受注速報値、10日は8月の国内企業物価指数、7月の機械受注、11日は7~9月期の法人企業景気予測調査、8月の東京都心部オフィス空室率、12日は7月の鉱工業生産指数確報値が、それぞれ発表される。

 9日には、8月7、8日に開催された日銀の金融政策決定会合の議事要旨が発表される。10日は気象庁からエルニーニョ監視速報が発表される。日銀の岩田副総裁が石川県金沢市の金融経済懇談会で講演する。12日はメジャーSQ算出日。黒田日銀総裁が東京の政策研究大学院大学で講演する。強気発言の行間の弱気ニュアンスが針小棒大に伝えられそうだ。

 今週はもう一つ、日経平均採用225銘柄の定期入れ替えが発表される可能性がある。下馬評で最有力視されているのが業績好調なヤマハ発動機<7272>だが、セクター的には12月25日で上場廃止になる東京エレクトロン<8035>の補充候補という見方もある。消費財セクターが少ないといわれる弱点補強で楽天<4755>、ドワンゴ<3715>、DeNA<2432>あたりが証券会社の予想リストに挙がり、「万年候補」の感もある任天堂<7974>は業績が悪くても候補から消えていない。バランスを取るのが好きな日経のクセで批判承知でJAL<9201>採用という線もありうる。一方、除外候補筆頭は平和不動産<8803>で、2番手は古河機械金属<5715>。旧・東証指定銘柄の名門で「証券取引所の大家さん」に日経が敬意を払って採用銘柄に残し、まるで「東京六大学野球の東大」のような感じさえあった平和不動産も入れ替えで225種を去る日が来るのだろうか? その交代候補として予想リストに同業のNTT都市開発<8933>やJPX<8697>の名がみられる。

 主要企業の決算発表は、8日は学情<2301>、ミライアル<4238>、スバル興業<9632>、9日はサーラ住宅<1405>、アヲハタ<2830>、菊池製作所<3444>、ビットアイル<3811>、イハラケミカル工業<4989>、日本ビューホテル<6097>、10日はイーブックイニシアティブ<3658>、神島化学工業<4026>、ドクターシーラボ<4924>。

 11日は綜合臨床HD<2399>、テンポスバスターズ<2751>、佐藤食品工業<2923>、アゼアス<3161>、オービス<7827>、TASAKI<7968>、JPNHD<8718>、アルデプロ<8925>、日本テレホン<9425>、12日はエイチーム<3662>、アスクル<2678>、鳥貴族<3193>、メガネスーパー<3318>、稲葉製作所<3421>、モルフォ<3653>、エニグモ<3665>、ザッパラス<3770>、フリービット<3843>、ロングライフHD<4355>、ウエスコHD<6091>、3Dマトリックス<7777>、ナイガイ<8013>、正栄食品工業<8079>、明豊エンタープライズ<8927>、東京ドーム<9681>、精養軒<9734>。

 今週は新規IPOが再開してファン待望の秋の新規上場、再上場ラッシュがいよいよ始まる。9月は東証マザーズだけで8銘柄の新規上場が予定されている。11日にジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)<7172>が東証マザーズに新規上場。東京が本社でオペレーティング・リース、M&Aアドバイザリー、プライベート・エクイティ、不動産投資などの金融ソリューション関連事業を行っている。公開価格は2550円。

 海外の経済指標は12日のアメリカの小売売上高に注目。小売各社発表の売上データに陰りが見え、5日発表の雇用統計でも小売業の雇用意欲が減退していた。個人消費超大国なのでわずかな減少でも世界の景気に大きな影響を及ぼす。

 8日は中国の8月の貿易統計、ドイツの7月の貿易収支、経常収支、アメリカの7月の消費者信用残高、9日はフランスの7月の貿易収支、英国の7月の鉱工業生産指数、10日はフランスの7月の鉱工業生産指数、アメリカの7月の卸売在庫、11日は中国の8月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、オーストラリアの8月の失業率、ドイツの8月の消費者物価指数(CPI)確報値、フランスの8月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの8月の財政収支、12日はフランスの7月の経常収支、ユーロ圏の7月の鉱工業生産指数、8月の消費者物価指数(CPI)確報値、アメリカの8月の小売売上高、輸入物価、9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、13日は中国の8月の都市部固定資産投資、小売売上高、鉱工業生産が、それぞれ発表される。