GDPが大幅に減少した住宅業界 独自色と太陽光発電で苦境を乗り切れるか

2014年09月13日 19:26

アキュラ-1

太陽光発電のプランは、初期設備費用をアキュラホームが負担する「共同事業」や「屋根貸し事業」などがある

 内閣府が2014年9月8日に公表した四半期別GDP速報(2014年4-6月期・2次速報)によると、住宅の四半期別の実質成長率が前期比でマイナス9.6パーセント、名目成長率は前期比マイナス7.2パーセントと大きく落ち込んでいる。これはとりもなおさず、消費税率引き上げの影響が大きいと見られる。

 大幅なマイナス成長ではあるものの、概ね想定の範囲内という見方もあり、厳しい現状の中でも独自色の強い商品を積極的に展開することで需要を促し、現状打破を目指しているハウスメーカーも多い。

 その中でも、最も消費者の注目度の高い商品が太陽光発電だ。例えば、ダイワハウス<1925>では『「パワフル発電所」計画』と題し、2階建てで27坪台から10kW以上の太陽光発電が搭載できる、バリエーション豊かな大容量太陽光搭載プランを提案している。同社によると、2階建ての4LDK、37.71坪、片流れの屋根に11.42キロワットの太陽光発電を搭載した場合、20年間でのメリット(売電収入-投資額)は約466万円にもなると試算している。もちろん、20年後の電力の買い取り価格などの不確定要素もあるものの、太陽光パネルの経年劣化による売電量減少を考慮した想定利益であることや、初期投資も約9年での回収が見込めるとしており、大きな魅力になることは間違いない。

 また、住友林業<1911>でも、同社が展開する、木造住宅に次世代の高断熱性能を装備した「グリーンスマート」の特徴の一つとして、太陽光発電を標準搭載している。さらにエネファームや蓄電池と組み合わせたり、HEMSでエネルギーを賢く管理することで、光熱費もしっかり抑える。

 さらに、この厳しい状況の中にあって20期連続となる増収を達成しているハウスメーカー・アキュラホームも太陽光発電に力を入れている企業の一つだ。太陽光発電搭載率100%を目指すアキュラホームは、創業35周年を迎えた今年、同社のベース商品である「住みごこちのいい家」に、太陽光発電を搭載した「太陽を活かす家」を特別限定商品として販売している。「太陽を活かす家」が面白いのは、太陽光発電の導入プランが、全量買取制度または余剰買取制度だけではなく、導入費用をアキュラホームが負担して定期収入を得る「共同事業」プランや「屋根貸し事業プラン」など、ライフスタイルに合わせたプランが選択できるようになっていることだ。こういう初期負担が少ないプラン選択ができると、太陽光発電の導入も一気に加速するのではないだろうか。

 2020年までには、全ての新築住宅に対して省エネルギー基準への適合の義務付けが決定している。太陽光発電とひと口にいっても、メーカーごとに特色が異なるので、いずれ購入や導入を検討しているのであれば、自分のライフスタイルやライフプランにあったものを提供しているメーカーを充分に調べておく必要があるだろう。(編集担当:藤原伊織)