調査会社の富士経済によると、2013年の化粧品市場は、景気の回復を背景に、4割強を占めるスキンケアを始め、全ての分野で拡大した。市場規模は前年比1.1%増の2兆3227億円。2014年は消費増税の影響もあるが、前年比0.9%増の2兆3428億円を見込む。
レポートでは、化粧品市場の「価格帯別」の動向をまとめている。スキンケアでは、2000~6000円未満の中価格帯が最も多い43%を占め、次いで6000円以上の高価格帯が全体の31%、2000円未満の低価格帯が26%を占めている。
高価格帯では、昨年はカネボウの白斑問題の影響もあり、6割を占めるスキンケア部門が縮小。13年の市場規模は前年比0.1%減の6608億円となった。一方、消費者の節約志向が一段落していることや、ベースメイクでは外資系高級ブランドがBB、CCクリームなどの新商品を積極的に投入しているほか、高い仕上がり感や長時間崩れにくいなどの機能強化が進んでいることから、市場規模は微増で推移すると見込まれる。
中価格帯の商品は長らく、低価格帯のセルフブランドに需要が奪われ、縮小が続いていた。しかし、昨年はカネボウの商品回収問題があり、高価格帯から需要が流れて来たために売り上げが増加。さらに猛暑によるUV関連商品の売り上げが好調だったことなどから、13年は前年比0.5%増の9292億円となった。14年も微増を見込む。
最も好調だったのは、2000円以下の低価格帯だ。スキンケアのオールインワン商品や、セルフの大容量シートパックブランドが好調だった。BBクリームやアイメイクブランドが中価格帯から需要を取り込み、口コミ効果で「ニベアクリーム」が大流行したことなどから、市場規模は前年比3.5%増の5545億円。14年も引き続き、低価格帯の化粧品は最も高い成長が見込まれる。コストパフォーマンスの良いスキンケア商品から、質を高めたアイライナーまで、様々なニーズを取り込んだ商品が続々投入されているようだ。(編集担当:北条かや)