【今週の振返り】イベント全て無事通過して372円上昇した週

2014年09月20日 20:05

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新型iPhone、アリババのNY上場、FOMCにスコットランドの住民投票。心配がなくなれば為替も株価もお祭り騒ぎ。

 後場は少し高く再開し16060円近辺から高値を取ってどんどん上昇し、午後1時を回ると16100円を突破。ここまでくれば1月6日ザラ場の16164円の年初来高値チャレンジが意識されるが、1時4分に16106円をつけてすぐに上値を抑えられ、おおむね16080~16100円の値動き。やはり東京市場の大引けと同時に投票が始まるスコットランドの住民投票の結果待ち。ユーロ円はとうとう140円にタッチし、ドル円は109円に接近する。日経平均の小動きは終盤まで持ち越されたが、大引け直前に下押しされて終値は178.90円高の16067.57円で3日ぶりに反発。終値ベースでは1月8日以来の16000円の大台に乗せた。日中値幅は103円。TOPIXは+12.95の1317.91で年初来高値を更新した。売買高は22億株、売買代金は2兆3822億円で、ともに大台に乗せる活発な商いだった。

 上昇セクターの上位は機械、輸送用機器、保険、その他製品、精密機器、銀行など。下位は食料品、医薬品、石油・石炭、パルプ・紙など。下落セクターは空運、建設だった。

 18日のNYダウは109ドル高で4営業日続伸し史上最高値更新。NASDAQ総合指数は31ポイント上昇した。住宅着工件数は7月比14.4%減でも新規失業保険申請件数は28万件で市場予測より良く、早期利上げに慎重だったFOMCの結果はプラス効果持続。スコットランドの住民投票で反対票が上回る読みでロンドン市場で英国ポンド、株価が高くなったのも追い風。アリババ上場への期待感もあって終日買い優勢だった。そのアリババは仮条件上限の公開価格68ドルと19日の上場が決定。19日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が140円台半ばで、ユーロも高くなっていた。

 日経平均は110.37円高の16177.94円と1月6日のザラ場中の年初来高値16164.01円を更新して始まる。TOPIXも1320台に乗せてスタート。午前9時15分には16200円を突破するが、9時台は16200円そこそこの水準で横ばい。内閣府の月例経済報告が出て、国内景気の基調判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、4月以来5カ月ぶりに下方修正していた。ところが10時を回るとスコットランドから独立反対派優勢の開票速報が入り始めたせいかドル円が109円台に乗せる。1週間で2円以上の円安急進。日経平均は先物主導で16250円を突破し10時20分に16278円をマークし、昨年12月30日につけた2013年の最高値16291円(終値ベース)、16320円(ザラ場ベース)が意識されてくる。中国市場は上海がマイナス、香港がプラスで始まって少し落ち着いた後、10時30分すぎから再び上昇開始。2013年の終値ベースの最高値を超えて10時45分には16300円を突破。10時48分には16317円と、2013年の最高値にあと3円まで迫る。その後は16300円前後で小動きし、前引けは16301円だった。

 昼休み、英国ポンド高に連動してユーロ円は141円台に乗せる。ユーロも1週間で3円以上の円安進行。日経平均は16303円で再開するが、反対派優勢の開票速報が続々入り、午後0時38分には16325円まで上昇して2013年のザラ場ベースの最高値もクリアし「アベノミクス相場最高値」を完全に更新。ヨーロッパの片隅の人口530万人の小国が東京株式市場にお祭り騒ぎのような急騰をもたらす。0時台のうちに16350円も突破し、0時50分に16364円のピークをつける。1時を回るとBBCが「独立否決」を報じ、英国のキャメロン首相は事実上の勝利宣言。世界の金融市場をやきもきさせた「スコットランドの独立」は、つかの間の夢物語と終わった。

 その後しばらく日経平均は16350円オーバーの水準を維持したが、これで材料出尽くしなのか徐々に水準を下げていく。2時台は為替レートが円高方向に折り返してユーロ円は141円を割り込み、イベントを通過した「クールダウン」が続き16300円を割り込む時間もあったが、終盤は少し持ち直し終値は253.60円高の16321.17円と続伸。終値ベースでも昨年の大納会12月30日の最高値を上回り「アベノミクス相場最高値」、2007年11月2日以来の「リーマンショック後最高値」を記録した。今週は2勝2敗で、12日終値から372.88円上昇して週間の取引を終えた。日中値幅はほぼ上昇一方で194円。TOPIXは+14.00の1331.91で1330をオーバーし年初来高値を更新した。売買高は25億株、売買代金は2兆7497億円で、主力銘柄を中心に売買が盛り上がった。

 プラスセクター上位は機械、金属製品、保険、輸送用機器、鉄鋼、電気機器など。プラスセクター下位は電気・ガス、石油・石炭、水産・農林、その他製品など。マイナスセクターは鉱業、空運だった。(編集担当:寺尾淳)