キヤノン<7751>は世界最高性能の画像診断装置を京都大学と共同開発し32.5円高で年初来高値更新。デジカメ技術を応用し2017年をメドに目の難病向けから実用化。キヤノン同様、海外投資家好みのキーエンス<6861>は835円高で年初来高値更新。
蛇の目ミシン工業<6445>は売買高2位に入り7円高と買われ年初来高値更新。豊田自動織機<6201>は台湾のタイリフト社からフォークリフト事業を買収と報じられ60円高。デルタ、アメリカンなどアメリカの航空大手がボーイング737、エアバスA320などを大量発注という記事が出て、旅客機の生産に参画する三菱重工<7011>は売買高8位、売買代金9位で6.3円高、川崎重工<7012>は売買代金7位で1円高、IHI<7013>は7円高で年初来高値更新。旅客機用化粧室・厨房設備のジャムコ<7408>は78円高。航空界はLCCにすき間を突かれた「ハブ&スポーク」から「直行路線」にシフト。航続距離が長い省エネ型中型機は需要が大きい。
アルジェリアの高速道路工事の負担がふくらむ恐れが出たゼネコン大手の大成建設<1801>は8円安、鹿島<1812>は9円安で建設セクターの不振は続く。三菱マテリアル<5711>は日立金属<5486>傘下の超硬工具の日立ツール買収が伝えられ9円高。日立金属は25円高。実際のM&Aは本体同士よりも子会社をやりとりする〃養子縁組〃のほうが数が多く、中には昨年の日本電産<6594>のホンダエレシス買収のような重要なものが含まれるので見落さないようにしたい。
東レ<3402>はファーストリテイリングと共同で子ども服用の保温性新素材「ウォームパデット」を開発し0.6円高。これを活用し子ども服の商品群を強化するファーストリテイリングは280円安。武田薬品<4502>は中間配当が出る配当利回りのいい銘柄としてランキングにも入り34.5円高。同じくエーザイも57円高で年初来高値更新。権利付き最終売買日は25日。第一屋製パン<2215>は今期(12月期)から株主優待制度を始めると発表すると人気を集め9円高で値上がり率7位。1000株以上でグループ会社製品詰め合わせを贈呈。食べ物の特典は誰にも喜ばれ家族孝行もできる。
東証2部の半導体商社ルネサスイーストン<9995>は26日の東証1部指定替えが発表された。3月期末に記念配2円を実施し配当予想を10円から12円に増額しストップ高比例配分の100円高。約30%保有する筆頭株主のルネサスエレクトロニクス<6723>は18円安だった。サッポロドラッグストア<2786>は新店投資や人件費の負担が重く3~8月中間期の営業利益が2ケタ減益になる見通しで9円安だった。西尾レントオール<9699>は9月期通期業績見通しの2回目の上方修正を発表し80円高。営業利益は119億円を133.6億円に引き上げ、期末配当予想を30円から50円に増額修正。セコムは69円高で年初来高値更新。カジノがらみの観測があったが他の関連銘柄は動かなかった。
ネット・コンテンツ関連はサイバネットシステム<4312>が一時ストップ高の70円高で値上がり率1位。東京ゲームショウ(TGS)は盛況のうちに終了。2015年中に独自技術でクラウドゲームサービスに参入するスクエニHD<9684>は、TGSで新作「ドラゴンクエストモンスターズスーパーライト」の評判が良くアップルストア売上ランキング1位を獲得し74円高。enish<3667>は146円高で値上がり率10位。一方、Klab<3656>は75円安で値下がり率9位と売られた。
東証2部指数は0.30%上昇、新興市場の日経ジャスダック平均は0.56%上昇したが、東証マザーズ指数は-0.12%で5日ぶり反落。アスカネット<2438>は1260円高で年初来高値更新。前週のマザーズの新規IPO銘柄は、ロックオン<3690>は一時ストップ安の925円安、リアルワールド<3691>は265円安、AMBITION<3300>は344円安で、ここが踏ん張りどころ。
この日の主役は「総合商社」。三井物産<8031>は23円高、三菱商事<8058>は19円高、伊藤忠商事<8001>は19円高、住友商事<8053>は15円高、丸紅<8002>は7.4円高と5大商社全て年初来高値を更新し、卸売セクターは業種別騰落率4位。要因は配当利回りの良さで、25日の権利付き最終売買日を前に人気を集めた。株主優待で一番敬遠されるのは結局使わないことが多い「何割引ご優待券」。そんなものよりQUOカードやお米のほうがマシだが、総合商社のようにもっぱら配当を良くし株主に報いるという方針でも個人投資家には歓迎される。NISAを利用すれば配当金の税金は無税になる。(編集担当:寺尾淳)